2004 Fiscal Year Annual Research Report
牛骨膜細胞の再生能力を利用した新しい骨再生法のメカニズム解析
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16791220
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
秋山 真理 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (60340618)
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Keywords | 骨再生 / アルジネート / ペレット培養 / ヌードマウス |
Research Abstract |
牛骨膜細胞をin vitroにおいて人工の足場材料を使わずにペレット培養すると、ペレット中にはコラーゲン線維とアモルファス構造の細胞外マトリックスが認められた。その場合、アスコルビン酸やグルコースなどの栄養因子が不足した際にはコラーゲン線維や細胞外マトリックスの合成が不十分となり、細胞の凝集も起こらなかった。そして、細胞間の結合が弱いために十分な強度を持つ一塊のペレットを形成できなかった。継代細胞においても、アスコルビン酸添加培養液で細胞外マトリックス形成と細胞凝集が十分に起こるように分化誘導すると、細胞間結合の強い一塊のペレット形成が認められた。 次に、牛骨膜細胞のペレットあるいは細胞-アルジネートゲル複合体をヌードマウス皮下に移植する実験において、初代牛骨膜細胞を移植すると骨再生が認められたが、同じ細胞をアルジネートゲル内に播種して移植すると軟骨形成が認められた。一方、初代牛骨膜細胞であっても、十分な強度を持つペレットを形成できない場合は、ヌードマウスの皮下に移植しても皮膚からの圧力に押されて組織再生は困難であった。継代した細胞はアスコルビン酸添加によってペレット形成が可能であったことから、少量の組織片から多くの細胞を得る可能性が示された。しかし、継代したことによる移植までの培養期間および移植後の骨再生が完了するまでの期間の延長などの問題を残している。 以上、本年度の研究計画において、牛骨膜細胞がヌードマウスの皮下移植を用いたモデルでは、周囲環境の違いによって骨あるいは軟骨へと分化することを確認した。平成17年度には残りの研究計画を推進した上で研究課題を完成させたい。
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