2004 Fiscal Year Annual Research Report
抗菌剤を含むDNA/人工脂質コンプレックスを用いた抗菌性義歯床用材料の開発
Project/Area Number |
16791223
|
Research Institution | Fukuoka College of Health Sciences |
Principal Investigator |
高橋 美如 福岡医療短期大学, 歯科衛生学科, 助手 (50369849)
|
Keywords | lipid / DNA / lipidコンプレックス / DNAフィルム / 抗菌性 / 抗真菌性 |
Research Abstract |
DNA/lipidコンプレックスとDNAフィルムの抗菌性や抗真菌性を利用した床用材料を開発する目的で、まずDNA/lipidコンプレックスを市販床用レジンに各種濃度で添加し、抗菌性および抗真菌性について検討した。 lipidは、アミノ酸とr-alkyl alcohol (n=10,12)から合成し、lipidとサケ精子由来のDNAよりDNA-lipidコンプレックスを4種(DNA/C10-L-Ala,DNA/C12-L-Ala,DNA/C10-L-Gly,DNA/C12-L-Gly)合成した。そしてDNA/lipidコンプレックス粉末をレジン粉末に各々5、10、15、20wt%になるように添加し、直径6mmの円盤状に成型・重合した。 供試菌は、歯周病原菌のP.gingivalis、P.intermedia、F.nucreatumと口腔常在真菌のC.albicans、C.tropicalis、C.glabrataを用い、寒天平板法による阻止円形成試験を行った。 その結果DNA/C10-L-Ala10wt%添加レジンがP.intermediaに抗菌性を示さなかったことを除き、10wt%以上で全ての菌に抗菌性を示し、DNA/C12-L-Ala添加レジンはどの濃度でも全ての菌に抗菌性を示した。真菌には効果が少なく、C.albicansには全てのDNA/lipidコンプレックス添加レジンは抗真菌性を示さなかった。一方、DNA/C12-L-Alaは10wt%以上で、DNA/C12-Glyは全ての濃度でC.tropicalis、C.glabrataに抗真菌性を示した。 以上の結果から、DNA/lipidコンプレックス添加レジンの抗菌性・抗真菌性は、菌の種類によって、lipidやアミノ酸の化学構造やDNA/lipidコンプレックスの濃度により影響を受けることが判明した。
|