2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨系細胞の分化・活性・アポトーシスにおけるNFATシグナルの解析
Project/Area Number |
16791225
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
廣谷 拓章 東北大学, 病院, 助手 (90312595)
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Keywords | NFAT / 破骨細胞 / RANKL / アポトーシス / シグナル伝達路 / 骨芽細胞 / 繊維芽細胞 |
Research Abstract |
NFATは炎症性サイトカインの産生を促す転写因子として研究され、calcineurinによって活性型となり、標的遺伝子の転写を開始する。免疫抑制剤であるCsAやFK506はcalcineurinを選択的に抑制することでNFATの機能を阻害し、免疫抑制作用を起こす。我々は最近、破骨細胞へのCsA投与がアポトーシスを誘導すること、破骨細胞にNFATが発現していること、破骨細胞分化因子であるRANKLによってその発現が上昇すること、破骨細胞系株に活性型NFATを過剰発現させるとRANKL投与なしに骨吸収能を持つ破骨細胞へと分化することなどを発見した。また、破骨細胞がFas/FasL経路でアポトーシスを起こすことや、破骨細胞のFas発現にRANKLが関与していること、RA滑膜の繊維芽細胞におけるVEGF産生にNFATが重要であり産生されたVEGFは破骨細胞の活性化を促すこと、骨芽細胞にcalcineurinを過剰発現させると同化作用が進むこと、なども報告されている。本研究の目的は、これらの点を踏まえ、破骨細胞や骨芽細胞、繊維芽細胞といった骨系各細胞における、生存や活性、死に及ぼすNFATの役割を明らかにすることである。現在までにマウス骨髄由来の破骨細胞を用い、ウエスタンブロッティングにより、NFATの抑制によってERKやAktといった生存因子が抑制されること、NF-κBには影響を与えていないことが明らかになった。また、骨芽細胞系細胞(MC3T3-E1)の培養系においてNFATを抑制したところ、ミネラルノジュール形成が抑制され、細胞の活性が抑制された。繊維芽細胞に関しては現在、実験条件の調整中である。今後はNFATの抑制だけでなく、過剰発現を骨系各細胞に導入し、活性や分化、生存、アポトーシスに与える影響を検討する予定である。
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