2004 Fiscal Year Annual Research Report
シスプラチン耐性遺伝子ATP7Bの阻害によるプラチナ系抗癌剤の感受性の向上
Project/Area Number |
16791227
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮下 仁 東北大学, 病院, 助手 (70372323)
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Keywords | ATP7B / プラチナ系抗癌剤 / 高発現癌細胞株 |
Research Abstract |
1.プラチナ系抗癌剤による化学療法施行症例におけるATP7Bの発現 我々は既にATP7B抗体を用いて免疫組織化学的に口腔扁平上皮癌で発現を明らかにするとともにATP7Bの発現とシスプラチンベース化学療法の奏功度との関連性についても報告した(Oral Oncol.2003)。 今回、カルボプラチンやネダプラチンといったシスプラチン以外のプラチナ系抗癌剤にて術前化学療法が行われた症例を用いて、免疫染色にてATP7Bの発現を評価し奏功度との関連について検討した。その結果、カルボプラチンによる化学療法施行症例では、ATP7Bの発現レベルと奏功度との間に相関性が認められた。 また夲研究とともに、当科における過去10年間の口腔扁平上皮癌一次症例についての臨床病理学的因子及び5年生存率についても検討し、その概要について報告した (第30回口腔外科学会北日本地方会.2004) 2.ATP7B高発現癌細胞株の樹立 当科所有の口腔扁平上皮癌細胞株6株(HSC-2,HSC-3,HSC-4,SAS,Ca9-22,Ho-1-u-1)におけるATP7Bの発現レベルを、RT-PCRにてmRNAレベルで計測したところ、ほぼ全細胞株にATP7Bの発現が認められた。 ヒトATP7BのcDNAを発現ベクター:pGEX-4T-3にインサートし、E.Coli : DH5-αにトランスフォームし、シングルクローンを選び、これをアンピシリン含有LBメディウム中で大量培養し、自動抽出器にてATP7B発現ベクターを抽出した。これを用いて、上記ヒト口腔扁平上皮癌細胞株にトランスフェクトした。ウエスタンブロッテイング及びReal-time-PCRにてATP7B蛋白発現量を確認し各々の細胞株について、ATP7B高発現細胞株を樹立した。
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