2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791246
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
住田 知樹 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50314951)
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Keywords | 唾液腺腫瘍 / Id protein family / プロゲステロンレセプター |
Research Abstract |
唾液腺癌培養細胞や臨床検体を用いてId protein family及びステロイドホルモンレセプターが増殖、浸潤、転移に及ぼす影響を研究している。本年度は、まず培養細胞、臨床検体においてId protein family及びプロゲステロンレセプター(PR)の発現を調べた。唾液腺癌培養細胞3種においてはId-1、2共に強発現しており、比較として用いた乳癌細胞や扁平上皮癌に比較し発現レベルは高かった。PRは唾液腺癌培養細胞、唾液腺腫瘍組織、正常唾液腺ともに発現を認めず、コントロールに用いた乳癌細胞、組織などとは発現様式が大きく異なった。次いで、Id-1、2に対するsiRNAを用いて唾液腺癌細胞ACCMの増殖に与える影響を調べた。Id-1-siRNAは増殖抑制に働いたが、Id-2-siRNAは増殖促進に働いた。Id-1、Id-2それぞれのアンチセンスベクターを導入したACCM細胞においても同様の結果が得られた。この結果は乳癌における過去の報告と類似しており、唾液癌細胞においても同様のメカニズムが考えられた。また、ステロイドホルモンレセプターに関しては、PR陰性のACCM細胞にPR発現ベクターを導入し、プロゲステロン(PG)を作用させ増殖に与える影響を調べた。すると、PR導入ACCM細胞はPG処理によって増殖が有意に抑制されたほか、細胞形態の有意な変化を認めた。細胞形態は平坦化、伸張し多角形の細胞へと変化した。効率的なsiRNAや遺伝子導入細胞の樹立は修了しているため、次年度も引き続きこれらの材料を用い、浸潤及び転移に関する影響を調べる予定である。
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