2005 Fiscal Year Annual Research Report
超極細注射針と一酸化窒素(NO)の鎮痛作用を応用した新しい歯根膜麻酔法の開発
Project/Area Number |
16791248
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
倉田 眞治 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (20325666)
|
Keywords | 注射針 / 一酸化窒素 / 歯根膜麻酔法 / 局所麻酔薬 |
Research Abstract |
一般歯科治療、口腔外科処置を安全に行うためには、治療に付随する強い痛みを局所麻酔薬により取り除く必要があるが、現在使用されている局所麻酔薬ならびに浸潤・伝達麻酔法には、以下のような問題点を有し、さらなる改善が要求される。 ○局所麻酔そのものへの患者の恐怖感 ○注射針刺入時の患者が感ずる痛み ○歯槽骨を浸潤するために必要な高濃度の局所麻酔薬 ○麻酔効果維持のための血管収縮薬の添加 そこで、従来型の発想による局所麻酔法の改善では限界があり、超極細注射針とNitric Oxide (NO)の鎮痛作用・高拡散性の両者を組み合わせた、全く新しい概念の局所麻酔法の開発に取り組んでいる。 現在、動物実験においては、ラットの各種疼痛モデルを用い、鎮痛作用があると示唆されているNOのほか、現在臨床にて頻用されているリドカインおよびNO・リドカイン混合剤における鎮痛効果について検索中である。 また、超極細注射針の臨床応用の可能性についても検討しており、テルモ社製の、インシュリン注射用に開発されすでに臨床使用が承認されている超極細針(33G、直径0.2mm)の刺入時痛について、健康成人ボランティアに対象として行った.現在,研究結果の公表を目的にデータ処理を行っている. 今後,さらに,インシュリン注射器を改造したペン型注射器で、人の歯根膜および口腔粘膜への浸潤麻酔(2%リドカイン1/20万エピネフリン含有、0.5ml)を行い、その麻酔効果および注射針の深達度・注入抵抗値について検討を行い,極細注射針の臨床応用への可能性について検索する予定である。
|