2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16791265
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
金山 景錫 金沢医科大学, 医学部, 助手 (50329380)
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Keywords | サイトカイン / サイトカインレセプター / 破骨細胞 / RANKL / joint effusion / 顎関節症 / 滑膜 / 滑液 |
Research Abstract |
破骨細胞を介した変形性顎関節症の病態機構賭して以下の点が明らかとなった。 (1)顎関節症滑膜組織中の血管・滑膜・線維芽細胞中に免疫組織学的染色にて蛋白レベルで破骨細胞形成促進因子(RANKL)の発現を確認した。その発現の分布は臨床症状と関連している可能性があり、破骨細胞形成抑制因子(OPG)との相関を認め、両者のバランスで病態形成がなされていることが示唆された。 (2)破骨細胞形成に関わる因子としての顎関節症滑液中の可溶型サイトカインレセプター(sTNFR-I、sTNFR-II、IL-6sR、IL-1sRII)の特徴を明らかにした。すなわち、そのリガンドであるサイトカインより高濃度(80-2,000倍)で検出率も高く(84-98%)、とくにTNF-sTNFR間に相関関係があった。MR画像におけるjoint effusion像(JE)との比較では1.JE(-)に比し、JE(+)においてsTNFR-I濃度(160vs322pg/ml)が上昇していた(p<0.05)。2.JEのgradeとsTNFR-I・-II濃度との間に正の相関を見た(p<0.005)。予後因子との関連ではアルスロセンテーシス奏効群に比し、非奏効群においてsTNFR-I(163vs315pg/ml)、sTNFR-II(66vs126pg/ml)濃度が上昇していた(p<0.05)。これまでJEの発現が滑膜炎を反映し、IL-6・TNF-αなど炎症性サイトカインが増加していることを報告してきたが、今回の結果から、JEの発現につれてサイトカイン抑制因子であるsTNFRsなども増加し,サイトカインとのバランスを保ちながらJEの発現や破骨細胞の形成・抑制に関与するとともに、レセプターの消長が予後にも影響する事を見いだした。
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