2004 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍切除後の機能的口底再建手術に必要なオトガイ舌骨筋の神経生理学的研究
Project/Area Number |
16791269
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
森 亮太 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (50298410)
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Keywords | オトガイ舌骨筋 / 副交感神経 / 頸神経ワナ / 舌下神経 / 呼吸 / 嚥下 |
Research Abstract |
本研究は、オトガイ舌骨筋を支配する副交感神経の機能特性を明らかにすることを目的とした。 1.節後ニューロンの細胞膜特性に関する検討 実験にはWistar系ラット用いる。塩酸ケタミンの腹腔内投与を行い、保温パッド上でラットを仰臥位に固定し下顎前歯を利用してクランプによって下顎を固定する。手術用顕微鏡下で下顎骨内側から鎖骨に至る皮膚切開を加え、舌下神経本幹と頸神経ワナ、オトガイ舌骨筋枝を明示し、頸神経ワナと舌下神経本幹の吻合部から内側枝と外側枝までの分岐部を無傷に摘出する。30%寒天にて包埋し、マイクロスライサーを用い95%O_2-5%CO_2にて飽和されたKrebs Ringer液中で厚さ250μmのスライス標本を作製する。現在、Whole-cell patch clamp recording techniqueを用いてvoltage clamp recording条件下にて、節後ニューロンの静止膜電位、膜容量、膜抵抗値を記録測定している。今後、current clamp recording条件下での記録も行う予定である。 2.行動実験による検討 実験には生後4週齢Wistar系ラットを用いた。塩酸ケタミンの腹腔内投与を行い、実験1と同様の手法でオトガイ舌骨筋支配神経を剖出し、以下の実験モデルラットを作製し、行動実験を行っている。 (1)片側のオトガイ舌骨筋枝切断モデル (2)片側の頸神経ワナ切断モデル (3)両側の頸神経ワナ切断モデルを作製した。 上記モデル群とコントロール群での行動の相違(飲水、咀嚼様相、舌突出量、突出回数、突出速度など)について、ビデオカメラにて撮影後解析している。実験モデルとコントロール群で行動量の差を認めており、今後さらに詳細な解析を行う予定である。
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