2005 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍切除後の機能的口底再建手術に必要なオトガイ舌骨筋の神経生理学的研究
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16791269
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
森 亮太 松本歯科大学, 歯学部, 助手 (50298410)
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Keywords | 副交感神経 / オトガイ舌骨筋 / 舌下神経 / 頸神経ワナ / 呼吸 / 嚥下 |
Research Abstract |
これまでの研究成果として、オトガイ舌骨筋は体性運動神経に加えて、副交感神経による支配も受け、これによって舌骨の制御が行われる可能性を示した(Exp.Brain.Res.2003)。オトガイ舌骨筋などの骨格筋の活動に副交感神経が関与するとした報告はなく、今後の研究の発展によっては、体内の他器官にも同様な神経支配システムが見出される可能性がある。従って、オトガイ舌骨筋を支配する副交感神経系の機能特性について、詳細に検討する必要がある。本年度は、前年度の行動実験を継続して行うとともに、この副交感神経系がオトガイ舌骨筋の筋線維を支配する確証を得るための形態学的および電気生理学的検討を加えた。 1.行動実験 オトガイ舌骨筋枝切除群と、頸神経ワナ切除群のモデル群を作成した。各モデル群とコントロール群での行動の相違について、ビデオカメラにて撮影後解析を行った。各モデル群はコントロール群と比較して舌突出量、突出回数に減少傾向が認められたものの有意差は認められなかった。 2.免疫組織化学染色 摘出したオトガイ舌骨筋および同神経を摘出、固定後、凍結連続切片を作製した。アセチルコリンとVIPを一次抗体とする一連の免疫組織化学染色を行い、光学顕微鏡下で筋線維と副交感神経節後ニューロンとの神経筋接合の観察を行っているが、現在のところ典型的な神経筋接合部は認められていない。 3.電気生理学的検討 オトガイ舌骨筋および神経を摘出し、in vitroの電気生理学的研究を行っている。タングステン電極あるいはガラス管電極をオトガイ舌骨筋の筋線維に刺入し、筋放電を導出した。in vitroでの筋放電の導出には成功したもの、副交感神経節後ニューロンの神経放電と筋放電との同期を証明するための追加実験が必要である。
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Research Products
(1 results)