2004 Fiscal Year Annual Research Report
再石灰化療法の確立-口腔内唾液停滞量、pH、フッ素イオンの関与-
Project/Area Number |
16791296
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
南 真紀 明海大学, 歯学部, 助手 (70348192)
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Keywords | 再石灰化 / 唾液 |
Research Abstract |
今まで行なわれてきた研究から、口腔内で行なわれている脱灰-再石灰化現象には唾液が大きく関与していることが言われている。本研究では、中でも、口腔内で動く唾液の速さ、唾液のpH、フッ素の停滞に着目し、これらが口腔内で部位特異的に関与していることを解明し、臨床における再石灰化療法の基礎を確立させることを目的に研究を進めている。 本年度の実績として、口腔内の唾液クリアランスは各部位で異なること,最も優れているのが下顎前歯部舌側面(LAL)で最も劣っているのが上顎前歯部唇側面(UAB)であることを踏まえ、In vitroにて牛歯に人工齲蝕を形成し,その上をUABとLALの流速で唾液基準ミネラル液を流した後,マイクロラジオグラフで脱灰深度1d(μm),ミネラル喪失量ΔZ(vol%・μm)を計測することにより,UAB,LALでの唾液流速の差がエナメル質の再石灰化に及ぼす影響について検討を行った。その結果,脱灰深度1d(μm)に群間の差は認められなかったが,ミネラル喪失量ΔZ(vol%・μm)では,LALが脱灰後の約40%の減少,UABが約3%の減少を示した。口腔内各部位の唾液量の違いは唾液フィルムの厚さや移動速度に影響を与え,プラーク中の細菌や酸の拡散により,齲蝕の減少につながるとされていたが,今回の実験結果、つまり、再石灰化においても新鮮な人工唾液が十分に供給されているLALが最も優れており,逆のUABが最も劣っており,Ca,Pイオンの供給量が再石灰化に影響を及ぼすことが示唆された。
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