2004 Fiscal Year Annual Research Report
非抗原提示細胞が発現するHLAクラスII分子の生理的役割の解明
Project/Area Number |
16791312
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
畑中 加珠 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (50362992)
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Keywords | HLAクラスII分子 / 非抗原提示細胞 / 歯肉線維芽細胞 / 会合分子 / シグナル伝達機序 |
Research Abstract |
本研究は、HLAクラスII分子と会合しシグナル伝達に関わる分子を解析することによって、非抗原提示細胞が発現するHLAクラスII分子の生理的役割の一端を明らかにすることを目的にしている。 本年度は、健常人ボランティアから得た健康辺縁歯肉を用いて、歯肉線維芽細胞を分離および培養した。次に、4〜8継代の歯肉線維芽細胞にRecombinant Human IFN-γで処理することによって、HLAクラスII分子を発現誘導させた。細胞蛋白は、細胞溶解緩衝液を用いて可溶化し、その上清画分を回収した。抗HLA-DR抗体(L243抗体)が認識するHLA-DR分子と会合分子の複合体をProtein A Magnetic Beadsを用いた免疫沈降法によって回収した。その蛋白を還元下でSDS-PAGEで展開し、PVDF膜に転写した後、抗リン酸化チロシン抗体で免疫ブロットし、ECL蛍光キットを用いてリン酸化蛋白を検出した。 その結果、分子量が約80kDaのチロシンリン酸化蛋白を得ることができた。さらに、この蛋白の性状を分析するために、抗原提示細胞上で報告されているHLAクラスII分子との会合分子および線維芽細胞に発現しているサイトカインレセプターのうち候補となる蛋白との同定を試みたが、それらとは異なる蛋白であった。 本結果は、歯肉線維芽細胞上のHLAクラスII分子が分子量約80kDaの蛋白と会合していること、また、その蛋白は未報告の会合分子である可能性があることを示唆している。現在、この蛋白の性状を引き続き解析中である。
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Research Products
(1 results)