2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体組織工学に基づく歯周組織再生誘導デバイスの開発と再生現象の基礎的研究
Project/Area Number |
16791322
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
中原 貴 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (10366768)
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Keywords | ティッシュ・エンジニアリング / 歯周組織再生 / 塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF) / コラーゲンスキャホールド / 歯根膜細胞 / サイトカイン療法 / ドラッグ・デリバリーシステム(DDS) |
Research Abstract |
最近われわれは、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)の徐放化キャリアとコラーゲンスキャホールドを基盤とした再生誘導デバイスにより、短期間で歯周組織の再生に成功した。この再生誘導デバイスによる細胞・組織に対する作用は驚くべきものであるが、その詳細な組織再生のプロセスについてはわかっていない。 将来的に細胞増殖因子・サイトカイン療法が広く行われることが予想されるが、その効果的な治療法を追及するだけでなく、その再生機序を明らかにすることは、新たな治療法の開発や副作用の防止につながる有用な情報になることは間違いない。 今年度は、現在までに得られている実験成績を再評価し、歯周組織の再生が誘導されたプロセスについて、詳細な解析をおこなうための検討と情報収集をおこなった。これらに並行して、歯周組織欠損モデルの作製のため、京大再生研と共同し、事前に実験動物の前歯部もしくは臼歯部の抜歯をおこない、1ヶ月以上の創傷治癒期間を経て骨欠損の形成スペースを確保した。そして再生誘導デバイスを作製し、創傷治癒が完了した実験動物にこのデバイスの埋入手術をおこない、現在経過観察中である。 来年度は観察期間が経ったものからサンプリングを行い、脱灰標本の病理組織所見に基づいた再生効果を評価する。さらに非脱灰標本を作製した後、マイクロX線解析、走査電子顕微鏡解析(SEM解析)による詳細な定量評価と微細構造の観察をおこなう。また、実験動物の経過観察中にカルセインやアリザリンレッドを投与して骨ラベリング(multiple fluorescent labeling)をおこない、蛍光観察により時系列での硬組織の再生過程の解析をおこなう予定である。
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Research Products
(3 results)