2004 Fiscal Year Annual Research Report
マウス卵巣摘出モデルを用いた骨粗鬆症と歯周病の関連についての研究
Project/Area Number |
16791326
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
祖父江 尊範 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (90319195)
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Keywords | 骨粗鬆症 / 歯周病 / 卵巣摘出 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
これまでの骨粗鬆症と歯周病の関連性を明らかにするため国内外にわたり多くの臨床研究が行われてきた.その結果,骨粗鬆症と歯周病との間に関連性が示唆されてきた.しかしその関連性に関する基礎的研究は皆無である.我々は両者の因果関係を明らかにする目的で,歯周病が骨粗鬆症にどのような影響をおよぼすか動物実験にて明らかにする予定である.今年度は最初の研究として以下の実験を行った.すなわち,閉経後骨粗鬆症のモデルとして卵巣摘出マウスを用い,適時飼育した.これらのマウスを適時飼育した後屠殺し,大腿骨および脛骨より骨髄細胞を採取し,歯周病の原因である細菌のLipopolysaccharide(LPS)を添加し培養した.培養終了後,骨形成および骨吸収に対する影響を観察した.すなわち,骨形成を担う骨芽細胞の分化マーカーであるアルカリフォスファターゼの発現を染色にて,また骨吸収を担う破骨細胞の形成数を観察した.その結果卵巣摘出することにより骨粗鬆症を引き起こし,骨形成および骨吸収両者が活発に起こる高回転型の骨代謝像が認められた.すなわち,骨芽細胞分化のマーカーであるアルカリフォスファターゼ発現の亢進および破骨細胞数の増加が認められた.さらに,LPSを添加し骨粗鬆症に歯周病が重なった状況のグループでは骨粗鬆症のみのグループと比較して,さらにアルカリフォスファターゼ発現の亢進および破骨細胞数の増加が認められた.すなわち歯周病が骨粗鬆症を悪化させる可能性を示唆する結果を得ることができた.来年度はこれらの結果をふまえ,骨芽細胞,破骨細胞の分化マーカーのmRNA発現をRT-PCR法で観察したり,in vivoの実験として卵巣摘出マウスをもちいLPSを腹腔内投与し適時飼育後,大腿骨および腰椎の骨密度および骨形態計測を行う予定である.
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