2004 Fiscal Year Annual Research Report
Insulin-like growth factor I(IGF-I)と骨の健康
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16791328
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
飯久保 正弘 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80302157)
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Keywords | IGF-I / 下顎骨 / 骨塩量 / 舌 / 病理組織 |
Research Abstract |
ペプチド性成長因子の1つであるInsulin-like growth factor I(以下IGF-I)は骨芽細胞や骨細胞の分化・増殖を促進し、骨形成や骨細胞のアポトーシス抑制に関与する。顎骨の成長発育および老化抑制に対するIGF-Iの影響を明らかにすることを目的に、IGF-I投与による顎骨の形態および組織変化を検討した。さらに、顎骨発育と舌との関係を明らかとするために、IGF-I投与による舌の形態および組織変化についても検討した。 実験動物は、10週齢ウイスター系ラット雄12匹である。IGF-I製剤を背部皮下組織より浸透圧ミニポンプを用いて4週間持続投与し、高IGF-I血症ラット(6匹)を作製した。コントロール群(6匹)には、同様の方法にて生理食塩水を4週間持続投与した。上下顎歯列弓の印象採取を行った後にラットを屠殺し、下顎骨および舌を摘出した。下顎骨に関しては軟エックス線写真を撮影し、形態計測と骨塩量の測定を行った。舌に関しては重量を測定した後に、病理組織標本を作製した。以下にこれまでの研究成果を示す。 IGF-Iの持続投与により、 1.下顎骨は上顎骨に比較して歯列弓が大きくなった。 2.下顎骨は下顎骨前後方向と下顎頭長軸方向に過成長した。 3.下顎骨歯槽骨および下顎骨頭の骨塩量が増加した。 4.舌重量が増加した。 5.舌の細胞間質の増加と、筋線維および上皮の肥厚がみられた。
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