2004 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病原性細菌線毛の遺伝子型と歯周炎患者のIgGサブクラス抗体の特異性
Project/Area Number |
16791336
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
鉛山 ゆかり 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (90325811)
|
Keywords | 歯周病 / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / スクリーニング検査 / 末梢血 / 抗体 / IgG / IgGサブクラス |
Research Abstract |
本研究の目的は、歯周炎のスクリーニング検査としての歯周病原性細菌に対する血中抗体価の測定の意義を証明し、将来の血液を利用した高精度の歯周炎スクリーニング検査の開発基盤を確立することである。Porphyromonas gingivalisの線毛に対する抗体価測定は本目的のための有望な方法論と考えられるが、5種類の遺伝子型が存在することが最近になって明らかにされたP.gingivalisの線毛のうち、I型に対するヒト血清抗体価の情報は我々の結果も含めて豊富であるが、II〜V型線毛に対する抗体価についての情報は不足している。本年度は、5種類の遺伝子型の線毛に対するヒト血清抗体の総合的な情報を得るための第一段階として、II〜V型の線毛を表現するP.gingivalis菌株(II型:HW24D-1、III型:6/26、IV型:HG564、V型HNA-99)の供与を受け、これらの精製方法を確立した(I型:ATCC 33277については既に確立済み)。次いで平成10年度に行った検診受診者の保存血清を用い、I型およびII型線毛に対するIgG抗体価を測定したところ、抗I型線毛抗体は陰性であるが抗II型線毛抗体価では高値を示す被験者が存在するなどの重要な知見を得た。次年度では、I〜V型に対する総IgG抗体価およびIgGサブクラス特異的抗体価を系統的に測定して、各遺伝子型特異的P.gingivalis線毛抗体価の間での相関性や、歯周病重症度との関連性について総合的な分析を行う予定である。
|