2005 Fiscal Year Annual Research Report
乳歯う蝕と母親の育児不安との関連性-1歳6か月児と3歳児の追跡調査-
Project/Area Number |
16791340
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
岩田 幸子 朝日大学, 歯学部, 助手 (60319126)
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Keywords | 乳歯う蝕 / 育児不安 / 1歳6か月児 / 3歳児 / 社会的支援 / 生活習慣 / う蝕活動性試験 |
Research Abstract |
目的:乳歯う蝕の発生は、間食摂取状況、歯磨き習慣などの生活習慣の影響を強く受ける。乳幼児、特に通園していない子どもの生活習慣は、多くの場合、養育者である母親の関与が深いと思われる。本研究は乳歯う蝕と母親の育児不安の関連性を分析し、乳歯う蝕の発生予防ならびに歯科の立場からの育児支援について検討を行うことを目的に実施した。 方法:平成16年10月から5か月間、1歳6か月児健康診査を受診した1393組の保護者と子どもに対し(1)育児に関する質問票調査(2)保護者のS.mutans測定(3)子どものう蝕活動性試験(カリオスタット^<【○!R】>)を実施した。本年度はそのうち調査対象者252組について分析を行った。 結果: 1.う蝕経験や要観察歯のある子どもはカリオスタット^<【○!R】>値が高く、う蝕発生に関わる間食摂取行動が不良であった(P<0.05)。 2.間食摂取行動が不良な子どもは、母親が子どもの気質に問題があると思っており、母親の否定的感情の認知が高かった(P<0.05)。 3.否定的感情の認知の高い母親は社会的支援が少なく、子どもの気質に問題があると思っている者が多かった。また、そのような母親の子どもは間食摂取行動が不良であった(P<0.05)。 結論:1歳6か月児ということもあり、う蝕有病者率が0.8%と非常に低く、子どものう蝕と母親の育児不安との関連性は認められなかった。しかし間食摂取行動と否定的感情の認知の間には、母親の認識する子どもの気質が関与しており、間接的に関連していることが推測された。 今後の予定:母親の育児に関する不安や心配事は子どもの成長により変化するといわれている。平成18年4月より3歳児健康診査を利用して追跡調査を実施し、経年的な検討を行う予定である。また、1歳6か月児の残りのデータをさらに分析し、1歳6か月児のう蝕発生リスクと母親の育児不安の関連性について発表したいと考えている。
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