2005 Fiscal Year Annual Research Report
キャリア中期にある臨床看護師に対するキャリア開発支援モデルの構築
Project/Area Number |
16791342
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
溝部 佳代 北海道大学, 医学部, 講師 (70322857)
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Keywords | キャリア発達 / 臨床看護師 / キャリア中期 / 質的研究法 / 人材マネジメント |
Research Abstract |
1.メンタリング研究およびキャリア中期を対象とするキャリア開発研究に関する情報収集 キャリア中期にある臨床看護師のキャリア認識とそれを促進する組織要因との関係を面接調査するに先立って、キャリア発達に関連する組織要因について、文献収集し検討した。また、関連学会に参加し、キャリア支援に関連した最近の研究の動向・実践例について情報収集を行った。 まず、組織要因について検討したところ、組織コミットメント、職務満足、メンタリングによる人的支援、リーダーシップなど、個人のキャリア認識とそれを促進する影響要因は多々考えられた。そして、これら複数のキャリア認識を促進する要因とそのダイナミクスを捉えようとするとき、用いる尺度を選択する時点である程度の促進要因を特定することにつながることが危惧された。結論として、量的研究法による限界と判断し、当初の計画であった定量的研究と定質的研究の併用については見直しを行い、面接法による質的研究法のみによって、直接的に捉えることとした。 2.半構成的インタビューのための質問項目の構成の検討 質問項目の構成を検討するために、本研究者の先行研究として全キャリアステージの臨床看護師を対象に実施した調査票データから、本研究の対象であるキャリア中期のデータを抜粋し、SPSSを用いて再度データ分析を行った。その結果、キャリア認識への影響は、その人の持つキャリア志向のタイプによって影響を受け、そのタイプによって異なる様相を示していた。一方、キャリア初期や後期に影響を及ぼしていたメンタリングによる人的支援は、キャリア中期には全く影響を及ぼしていないことが確認された。このことから、キャリア認識とその促進要因を探るには、組織要因や人的支援関係にとどまらず、キャリア認識の形成過程そのものや、個人のもつ資質を捉えることも必要であるという示唆を得た。昨年の検討に加えて、これらを質問項目に追加し、最終年度は質的研究法による面接を実施する。
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