母性領域のウェルネス看護診断の構築に向けて

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16791377
• Research Institution: Niigata University
• Principal Investigator: 石田 真由美 新潟大学, 医学部, 助手 (40361894)
• Keywords: ウェルネス / 妊娠 / 出産 / 母性

Research Abstract

1.文献レビュー
ウェルネスや母性,またそれらに関与すると考えられる「よいお産」についての国内外の文献収集をおこなった。その中の(財)こども未来財団の事業報告書『新たな母子保健サービスの提供に向けての研究-妊娠から産褥期までの継続的助産師ケアの実現に向けて-』をもとに,助産師が考える妊娠や出産時のよいケアについての内容を抽出した。その結果「自然な産む力を発揮できるような環境づくり」「分娩後の振り返り」「妊婦と家族のニーズへの対応」「エモーショナルサポート」等があげられた。
2.インタビュー内容の整理と分析結果(データマイニングツール・ソフトを一部使用)
(1)出産後の女性へのインタビュー:出産後の女性4名に対し以前おこなったインタビューから,妊娠や出産に関するポジティブな表現とウェルネスに結びつくと考えられる内容を抽出した。その結果「分娩に関する知識の増加」「夫婦共同感」「希望の実現」「安心感」「助産師への信頼感」「自分で産んだという実感」があげられた。
(2)助産師へのインタビュー:施設助産師と開業助産師の経験をもつ助産師に,出産場面の相違や対象への関わり方等について伺い,更に妊娠・分娩・産褥期に関するウェルネス的な要素を抽出する上での助言と知識提供を得た。その結果「助産師との信頼関係」「分娩時の環境調整」「対象が納得いく分娩」がウェルネスに結びつく要素に関係するのではないかという見解を得た。
3.来年度に向けてインタビュー内容の洗練化を図るための助言
開業助産師に上記結果を提示し妥当性等について検討をおこなった結果,「満足のいく分娩」がウェルネス的な要素の基本となるのではないかという概念枠組が考察できた。
4.次年度の課題
(1)今年度得られた要素を基にインタビュー内容を作成し,実施する。
(2)インタビュー内容の分析結果から,ウェルネス看護診断構築に向けて検討・修正をおこなう。