2005 Fiscal Year Annual Research Report
高齢糖尿病患者のインスリン自己注射習得過程における学びのプロセスに関する研究
Project/Area Number |
16791380
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
麻生 佳愛 福井大学, 医学部, 助手 (80362036)
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Keywords | 高齢糖尿病患者 / インスリン自己注射 / 高齢者教育 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、1.インスリン自己注射を開始する高齢糖尿病患者の調査および得られたデータの分析を行う、2.日本糖尿病教育・看護学会学術集会に参加し高齢糖尿病患者への援助について情報を得る、3.結果を調査場所の看護スタッフに報告することであった。それぞれについて実績概要を説明する。 1.平成17年3月に福井大学医学部倫理審査委員会の承認を受け、調査を開始した。結果は以下のとおりである。 3月までに、60歳以上でインスリン療法を開始した糖尿病患者9名の調査を行った。分析した結果、指導に用いられる言葉は高齢者にとってなじみのないものが多いため、対象者は、医療者に何度も確認したり、同病者の実体験を聴くことを通して、知識を自分の言葉に置き換えて学んでいた。さらに、低血糖やアクシデントを実際に体験することによって聞き知った知識をより自分の身に重ね合わせて捉え、学びを深めていた。また、退院後においては、安全とはいえないインスリンの単位の自己調節や手技の変更を行う、インスリン注射の切り替え時期や注射をうち忘れた場合など普段とは違う状況での対処方法がわからない、低血糖やシックデイ時に血糖測定を活用することができない状況があり、生活にインスリン自己注射を取り入れていくための学びへの支援が不足していることが明らかとなった。高齢糖尿病患者が生活状況に応じてインスリン自己注射を安全に安心して実施するためには、高齢者一人一人の生活や学び方、ペースに合わせて継続して学んでいくための援助が必要であると考えられた。 2.9月に日本糖尿病教育・看護学会学術集会に参加し、臨床における高齢糖尿病患者の問題および看護援助について理解を深めることができた。 3.3月に分析結果を調査場所の看護スタッフに報告し、インスリン療法中の高齢糖尿病患者への看護について話し合い本研究の協力体制を整えることができた。
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