2004 Fiscal Year Annual Research Report
ハイリスク新生児の母乳育児:母親の搾乳体験からみた看護援助に関する研究
Project/Area Number |
16791389
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤本 紗央里 広島大学, 大学院・保健学研究科, 助手 (90372698)
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Keywords | ハイリスク新生児 / 母乳育児 / 用手搾乳 / 電動式搾乳器 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ハイリスク新生児の母乳育児を成功に導くために、母親の搾乳体験を分析し、母親の視点から看護援助を導き出すことである。平成16年度の計画は、1)文献・資料収集、2)電動式搾乳器の講義と演習、3)データ収集および分析であった。 1)文献・資料収集:1939年にアメリカで最初の電動式搾乳器が発明されて以来、搾乳器の研究・開発は行われ、現在その性能は、新生児の吸啜メカニズムに対応するほど改善されている。日本でも、電動式搾乳器は1955年頃から普及し始めている。欧米では1ヶ月以上直接母乳を飲ませられない場合には電動式搾乳器を勧めるべきとされている。しかし、2002年〜2003年に行われた電動式搾乳器の使用に関する看護者の認識の調査の結果、「電動式搾乳器は勧めたくない」との回答は60%、「条件が整った電動式搾乳器であっても勧めたくない」は約20%で、その理由は、「用手に対する情緒的肯定」「電動式搾乳器の機能や操作に対する否定的評価」「経済的負担」であった。これらの結果から、看護者の価値判断によって、電動式搾乳器に関する情報提供や使用の自由がコントロールされている、あるいは、その可能性があることが考えられ、ハイリスク新生児の母乳育児を成功に導くには、母親自身の搾乳体験から看護援助を導き出すことが必要であると確認できた。 2)電動式搾乳器の講義と演習:協力病院1施設において、看護師への講義と演習を済ませた。 3)データ収集および分析:本格的なデータ収集前の事前調査として、早産児を出産後、電動式搾乳器を使い搾乳を行った母親4名と、用手搾乳で搾乳を行った母親3名のデータを収集し、現在分析を行っているところである。
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