2004 Fiscal Year Annual Research Report
1型糖尿病患者へのIT機器を用いた教育支援モデルの構築
Project/Area Number |
16791393
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
薬師神 裕子 愛媛大学, 医学部, 講師 (10335903)
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Keywords | 糖尿病 / 思春期・青年期 / Information Technology / 自己管理支援 / 継続支援 / 糖尿病教育評価 / 評価基準 |
Research Abstract |
本研究は「思春期1型糖尿病患児へのIT機器通信を用いた継続支援方法の検討」の研究結果に、対象の選択・IT機器を用いた継続支援期間・通信コスト・具体的な支援方法や評価方法などについてさらに検討を加え,成長し生活が拡大していく1型糖尿病患者への長期的な教育支援モデルを構築する研究である。 〔本年度研究結果〕 1.携帯電話や血糖値データ転送システムを用いた自己管理支援の継続とシステムの拡充。 (1)高校進学と同時に一人暮らしを控えた中学3年生の男子1名を加え、5名の患者に携帯電話を用いた継続支援を実施した。これまで、血糖測定を定期的に行っていなかった患児が、支援開始後より1日2-3回の定期的な血糖測定を再開する行動変容が見られた。また、春休み中にニュージーランドに短期留学を予定している、高1女子の1事例を対象に、海外からi-modeを用いて血糖値を転送し、支援を継続する試みを予定している。 (2)IT機器通信支援システムの拡充を図るために、データ転送システム及び料金体系の再整備を検討した。データの転送装置を兼ねた血糖測定器が、携帯電話の新機種に対応しないといった問題が生じている。また、1事例につき1ヶ月約5600円の通信コストが必要であるため、各社の通信料金を検討したが、血糖測定器の関係上、現在の料金システムを継続することが望ましいと判断した。 2.思春期・青年期の糖尿病患者を対象とした自己管理における対処行動や糖尿病教育評価に対する客観的評価基準を用いた検討。 (1)思春期・青年期の糖尿病患者を対象とした自己管理における対処行動や糖尿病教育評価に対する客観的評価基準について、海外・国内の文献から研究の動向について調査を行った。成人を対象とした糖尿病教育評価は「糖尿病自己管理アウトカム指標」を用いた研究が米国で着手されている。しかし、この指標は小児・思春期糖尿病患者までは視野に入れておらず、小児期・思春期・青年期のそれぞれの発達段階に応じた教育評価や、客観的評価基準の開発が必要であることが示唆された。
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Research Products
(12 results)