2004 Fiscal Year Annual Research Report
異文化からの人々への妊娠・出産・産褥に対する文化を考慮したケアモデルの開発
Project/Area Number |
16791399
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
藤原 ゆかり 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部看護学科, 助手 (30363849)
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Keywords | 母性・女性看護学 / 助産学 / 家族看護学 |
Research Abstract |
本年度は異文化からの人々への妊娠・出産・産褥に対する文化を考慮したケアの現状を明らかにすることを目標に、次の通りに研究を計画し実施した。 1.実際に異文化からの人々の妊娠・出産・産褥におけるケアを行った経験のある病院助産師への面接調査を行った。その結果、助産師は異文化の人々へも、わけ隔てのなくよいお産を目指したケアの提供に努力しているが、言葉の壁を乗り越える手段や異文化を知ることの必要性も認識していた。この研究成果は2005年3月、第19回日本助産学会学術集会(京都)にて発表した。その後も継続して病院助産師への調査を進め、その成果は、2005年10月、The 31^<st> Annual Transcultural Nursing Society Conference(アメリカ)にて発表予定である。 2.2004年6月、The 30^<th> Annual Conference of the Transcultural Nursing Society(スペイン)に参加し専門家に会い、日本での文化を考慮したケアモデルを開発するための助言を得た。 3.言葉の問題を解決する先駆的な試みとして医療通訳派遣制度があり、医療通訳者からみた異文化から人々へのケアについても現状の把握を行うための調査を行った。その結果、日本人医療者は異文化からの人々への理解とそれに応じたコミュニケーションの変化が必要であることが明らかになった。その成果は2005年7月、The 27^<th> Congress of the International Confederation of Midwives(オーストラリア)で発表予定である。 4.同時に、医療通訳を導入している病院の助産師へも、医療通訳を導入することでケアがどのように変化するのかについても面接調査を進めている。 5.日本での出産経験のある異文化からの人々へも自身の経験を踏まえ、どのようなケアを医療者に望むか、また母国の妊娠・出産・産褥に対する風習・慣習についても調査を行っている。 これらの結果を踏まえ、文化を考慮したケアモデルの開発の一部として、妊娠・出産・産褥の臨床場面で想定される会話集だけでなく、異文化の慣習・伝統的な事柄の情報紹介を含めた実用性の高いコミュニケーションブックを作成し、活用することを計画しており、内容の精選、翻訳作業等を進めている段階である。
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