2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病の受容とセルフケア獲得の軌跡にそくした看護介入モデルの開発
Project/Area Number |
16791400
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
山本 裕子 大阪府立大学, 看護学部, 講師 (40263272)
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Keywords | 2型糖尿病 / 診断の受けとめ / セルフケア |
Research Abstract |
目的:2型糖尿病患者の診断後間もない時点での糖尿病に対する感情とセルフケアへの影響を明らかにする。 方法:2型糖尿病患者13名を対象に半構成面接を行った。質問内容は糖尿病と診断されたときに抱いた糖尿病に対する感情とその後のセルフケア状況である。倫理的配慮として、施設長に許可を得た後、対象に研究の趣旨やプライバシーの保護などを文書で説明し同意書への署名をもって面接を行った。 結果:1)属性:男性3名、女性10名で、平均年齢63.0±8.7歳。糖尿病と診断されてからの期間は3〜5年未満3名、5〜10年未満5名、10年〜20年未満2名、20年以上3名、HbA_<1C>は5%〜6%代8名、7%〜8%代5名。2)診断時の受けとめ:《ああそうか》12名、糖尿病と診断されたときにショックや怖れなどの心理的動揺が少なく、糖尿病である事実を受けとめていた。《情けない》1名、この患者は最初に受診した際に、その病院の医師に「再起不能」と言われ、即時入院となった経験を有していた。3)現在の糖尿病に対する感情:《糖尿病とともに自然に》11名で、糖尿病という病気ではあるが、それが特別なことではなく自然なことであるという思いであった。一方《糖尿病との葛藤》2名は糖尿病が自分を脅かす存在であるという思いであった。4)セルフケアに対する思いと行動:《糖尿病とともに自然に》の思いがある11名は、自分なりに自分に合ったセルフケアの方法を見出して、その方法を決定し具体的に実施していた。《糖尿病との葛藤》の思いがある2名は、セルフケアに対して「逃げ出す、すぐ止めてしまう」「自分自身が歯がゆい」といった思いが強く、セルフケアの具体的方法が見出せず、セルフケアを困難にしていた。 考察:2型糖尿病患者を対象に後ろ向き調査を実施したが、今回の結果をふまえ診断後間もない患者に前向き調査をして介入を進める必要がある。
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