2005 Fiscal Year Annual Research Report
中心静脈カテーテル関連感染予防のための安全な無菌操作行為に関する研究
Project/Area Number |
16791411
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
脇坂 浩 北里大学, 看護学部, 助手 (80365189)
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Keywords | 中心静脈カテーテル / マキシマルバリアプリコーションズ / 無菌操作行為 / 感染予防 / 血管内留置カテーテル関連感染 / 手指衛生 / ICU |
Research Abstract |
中心静脈カテーテル(以下CVCと略す)関連感染は、CVC挿入時のバリアプリコーションズにより大きく影響を与えることが過去の研究で明らかになった。そこで、CVC関連感染が医療施設内で最も認めている集中治療室(以下ICUと略す)を対象に、CVC挿入時のバリアプリコーションズの実態とそのバリアプリコーションズ別による感染の実態を調査した。バリアプリコーションズ別は以下の3通りで区分した。 (1)マキシマルバリアプリコーションズ(以下MBPと略す):CVC挿入時に施術者がマスク・グローブ・ガウン・キャップを着用し、ドレープでカテーテル挿入部以外の患者の全身を覆う方法。 (2)スタンダードバリアプリコーションズ(以下SBPと略す):CVC挿入時に施術者がマスク・グローブ・ガウン・キャップを着用し、ドレープでカテーテル挿入部位周辺を覆う方法。 (3)ノンバリアプリコーションズ(以下NBPと略す)。CVC挿入時に施術者がマスク・グローブ・ガウン・キャップのいずれかを着用していない、またはドレープを使用していない方法。施術者が手指衛生を行わない場合も、NBPとした。 結果・考察として、CVC挿入中・抜去時の血液・カテーテル培養検査から、無菌操作行為が破綻しているNBP例では28.8%、最も多く適用されているSBP例では17.0%の細菌検出を認めたが、MBP例では全く細菌の検出を認めなかった。対象数に大きな差を認めるが、ICUにおいてCVC挿入時にMBPを適用すれば、CVC関連感染の防止に有用であると考えられた。今後、CVC挿入時にMBPを適用していくには、サーベイランスシステムを確立しMBPの感染防止効果を明らかにすること、施術者の医師だけでなく介助者の看護師が協力して無菌操作行為を遵守することが重要であると考えられた。次年度にサーベイランスシステムのある施設に於いて、MBPの有用性を検討する予定である。
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