2004 Fiscal Year Annual Research Report
身体拘束相談窓口設置後の活動状況と評価に対する行政側と民間側の認識
Project/Area Number |
16791421
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Research Institution | Kyushu University of Nursing and Social Welfare |
Principal Investigator |
新居 富士美 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 専任講師 (70333250)
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Keywords | 身体拘束 / 相談窓口 / 活動状況 / 評価 / 民間 / 行政 |
Research Abstract |
平成16年度は、身体拘束相談窓口を担当する部署の行政担当者(以下、行政側)と身体拘束相談窓口を委託され、実施している民間グループの担当責任者(以下、民間側)、を対象に「身体拘束相談窓口の活動・支援対策の現況」に関する両者の評価を把握した。 A県における行政側と民間側の代表者に対して、(1)支援内容における効果、(2)支援内容における改善点や課題、主にこの2点について聞き取り調査を実施した。逐語録をもとに両者の評価内容を比較分析した結果、身体拘束を行っている施設の割合が66%から54%と減少、各施設で身体拘束廃止検討委員会を設置した割合が40%増加していたA県の現況に対し、行政側は効果ありと評価していた。一方、民間側は半数の割合で身体拘束が行われている点に着目して、効果があらわれていないと評価し、同じデータにおける両者の評価は異なっていた。身体拘束廃止における教育・啓蒙の必要性は改善点として両者に同じく認識されていた。しかしながら、教育・啓蒙の対象をたずねたところ、行政側は各施設に対する個別指導を重視していたのに対して、民間側は医療施設に限らず社会全体を対象ととらえていた。さらに、医療施設における第三者の監査導入の必要性を課題に挙げていた。 以上から、身体拘束廃止という目的のために行政と民間が一体となった支援策のひとつである「身体拘束相談窓口」活動の評価に関して、行政側と民間側の両者間には少なからず差異が認められた。
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