2004 Fiscal Year Annual Research Report
入院患者の状況の変化に即した退院支援スケジュールの作成及び退院支援内容の標準化
Project/Area Number |
16791427
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
永田 智子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80323616)
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Keywords | 退院支援 / アウトカム / 文献検討 |
Research Abstract |
本年度は、退院支援の介入研究および観察研究で今までに用いられているアウトカム指標について、文献検討を行った。MedlineおよびCINAHLで、過去10年間の論文について「discharge planning」をキーワードに検索した後、主に成人・高齢患者を対象とした介入研究と観察研究を抜き出し、アウトカム指標を整理した。その結果、介入研究では、23本の研究から、19のアウトカム指標が抽出された。また、観察研究では、24本の研究から、13のアウトカム指標が抽出された。介入研究・観察研究とも、最も多かったのは、再入院の減少であった。介入研究では、その他に、退院後のサービス利用増加、在院日数の短縮、療養先が自宅であること(施設入所防止)、満足度の改善、退院後の患者のQOL改善、コストの削減などが複数見られていた。また、観察研究では、療養場所(自宅か施設か)、退院支援に対する満足度・評定・適切性、介護者の健康状態などが複数見られていた。 国内での研究に応用するに当たり、欧米諸国よりも日本では、全般に在院日数が長く、治療が終了してから退院するケースが多いことを鑑みると、退院支援によって再入院率を減少させることは難しいことが考えられる。退院後の適切なケアプラン、患者の心身の状態の安定、新たな療養場所での生活への適応などがアウトカムとして考えられるが、量的な指標として確立されたものは殆どなく、研究の蓄積が必要と考えられた。
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