2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の医療用粘着テープによるスキントラブル予防に関する研究
Project/Area Number |
16791432
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
高柳 智子 福井大学, 医学部, 講師 (90313759)
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Keywords | スキントラブル / 高齢者看護 / 剥離刺激 / 医療用粘着テープ / ポリウレタンフィルムドレッシング |
Research Abstract |
本年度は、剥離方法別の皮膚刺激に関する基礎データを得る目的で、若年女性を対象とした基礎実験を行った。 1.研究目的 ポリウレタンフィルムドレッシング材の剥離角度が皮膚を及ぼす影響を明らかにする。 2.研究方法 (1)対象:皮膚疾患を有しない健康成人女性16名。 (2)使用ドレッシング材:テガダームトランスペアレントドレッシング1623W(3M製)を用いた。 (3)貼付方法:貼付部位は両前腕内側とし、石鹸にて洗浄・拭き取り後に各2枚ずつ計4枚貼付した。 (4)剥離方法:貼付24時間後に(1)剥離角度90°(2)剥離角度180°(3)剥離角度0°(可能な限り水平に引き伸ばして剥離)の3通りで剥離した。 (5)評価方法:剥離力(最大剥離力・力積)、皮膚表面構築、皮膚血流の経時的変化率、剥離時の痛み 3.結果 (1)剥離力:最大剥離力は3群間に有意差はなかったが、力積では剥離角度0°が他の2群よりも有意に大きかった。 (2)皮膚表面構築:剥離角度0°と180°の間のみで有意差がみられ、後者で有意に剥離後の皮膚構築が保持されていた。 (3)皮膚血流の経時的変化率:剥離角度0°と90°では剥離10分後まで有意な低下がみられたが、180°では有意な変化はみられなかった。 (4)剥離時の痛み:剥離角度0°と180°の間で有意差が認められ、前者で有意に痛みが小さかった。 4.考察 一般にフィルムドレッシングは、できるだけ水平に引き伸ばして剥離することが望ましいと言われている。しかし、本研究結果から、この方法は剥離時の痛みは小さいものの、剥離時の除去反応が大きく、また皮膚表面構築を損なう可能性が高いことが示唆された。
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