2005 Fiscal Year Annual Research Report
居住環境の違いにおける痴呆性高齢者及びそれぞれの家族介護者のQOLの比較
Project/Area Number |
16791436
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
山内 加絵 香川大学, 医学部, 助手 (40363197)
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Keywords | 痴呆性高齢者 / 居住環境 / 家族介護者 / QOL |
Research Abstract |
本研究の目的は、施設に入所している痴呆性高齢者と在宅痴呆性高齢者のQOLを比較してそれぞれに対する問題点を明確にし、QOLを向上させるための援助における示唆を得る。また、それぞれの家族のQOLを測定して比較し、さらに家族のQOLが痴呆性高齢者に及ぼす影響を明らかにすることである。 平成17年度は、対象者の選定とアンケート作成を行った。県内の老人保健施設における痴呆性高齢者50名及び老人保健施設のスタッフ50名と家族50名、在宅痴呆性高齢者50名及び主な家族介護者50名の選定を、老人保健施設に依頼した。症例数が不足するようであれば、今後他の老人保健施設や在宅介護支援センター、または家族会に依頼予定である。 痴呆性高齢者のQOL評価に関しては、本人からの主観的な面を測定するのは困難であり、他者からの観察に頼らざるを得ない。そのため、施設に入所している痴呆性高齢者のQOLは施設スタッフに、在宅痴呆性高齢者のQOLは主な家族介護者に依頼してアンケート調査を行う。 調査項目は、包括的なQOL(社会的交流、自己の認識、活動の楽しみ、感情と気分、周囲との関係)の5領域24項目からなるQLDJ尺度を用いる。家族介護者のQOLについては、主観的な健康度・日常生活機能を構成する最も基本的な要素を測定する指標として一般的であるSF-36を使用する。また、居住環境についての項目を人的環境と物的環境の側面から調査し、QOLとの関連を検討する。基本的属性としては、年齢、性別、認知度、ADL等を調査する。 対象者には、痴呆性高齢者本人に研究の同意を得ることは困難であるため、施設スタッフとその家族に研究目的を口頭と文書で行い同意を得ることとする。 平成18年度は、調査結果より居住環境の異なる痴呆性高齢者のQOLを比較すると同時に、それぞれの家族のQOLとの関連について分析していく予定である。
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