2004 Fiscal Year Annual Research Report
支援費制度下における重症心身障害児・者と家族へのケマネジメント上の課題
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16791441
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
善生 まり子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部・看護学科, 助手 (20292394)
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Keywords | 重症心身障害児者 / 家族介護者 / 支援費制度 / 在宅介護サービス / 社会的支援 / 在宅介護支援ニーズ / ライフステージ / 母親 |
Research Abstract |
目的:今年度は重症心身障害児者(以下、重障児者)を3つのライフステージに分類し、1.在宅介護サービスの現状把握と経年的変化の追跡、2.ライフイベント上の問題点の抽出、3.在宅介護支援ニーズの明確化の3つに重点を置いた。 対象:重障児者家族12名(全員母親・地域の家族会所属)、30〜50歳代。重障児者は、幼児期3名、学童期5名、成人期4名。男女比2対1。身障手帳1級8名、同2級1名。家族構成は、核家族8名、3世代同居4名。倫理的配慮として、個人情報の匿名化、在宅サービス利用に影響のないことを保障。 調査方法:個別面接は1回2〜3時間、場所はB施設、A市福祉会館、自宅と対象の希望を優先。MDS-HC2.0への記入は、郵送法で依頼(回収10件、83.3%)。期間:H16.6〜H17.3。 結果:[在宅介護サービス利用状況]幼児期:なし。学童期:通所介護月2回1名、週5回1名、短期入所月1回1名、年1回1名。成人期:通所介護週5回1名、送迎、入浴サービス週3回1名。 [在宅介護支援ニーズ]幼児期:<専門家の早期の指導・助言>、<経験者の助言・交流>、<介護者への勇気づけ>、<疾患・障害・ADLの理解>、<家族内の役割調整>、<同胞の育児との両立、><新たな状況・環境への対処方法>。学童期:<家庭内の介護体制の調整>、<同胞の育児との両立>、<介護者の社会参加支援>、<専門家の家族への期待の軽減>、<親の介護の知恵を共有できる専門家の存在>、<リハビリの充実>、<住宅改造>、<医療ケア付通所介護、短期入所>、<利用者本位のサービス体制>、<満足感のあるサービス利用方法>、<思春期への対応>、<支援の継続性>、<家庭以外の社会生活環境の確保>、<入所の相談>。成人期:<レスパイトケアの充実>、<慣れた環境での短期入所・ナイトサービスの提供>、<身近な地域へのグループホーム・信頼できる医療機関の設置>、<子の将来の生活基盤の確保>、<子の多様な感情表現・能力を抽き出す機会>。 考察:ライフステージが上がるごとに、現状の課題解決のみならず子離れ・親離れを意識した重障者の生活の場の確保等、長期的かつ継続性を持った社会的支援を伴った在宅介護支援ニーズが強くなると考えられる。
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