2005 Fiscal Year Annual Research Report
支援費制度下における重症心身障害児・者と家族へのケマネジメント上の課題
Project/Area Number |
16791441
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
善生 まり子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 講師 (20292394)
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Keywords | 重症心身障害児(者) / 支援費制度 / ケアマネジメント / 在宅ケアアセスメント / 社会的支援 / ライフステージ / 家族 |
Research Abstract |
今年度の研究目的は、3つのライフステージの重症児(者)と家族介護者に特徴的な在宅ケアアセスメント項目を明確にし、ケアマネジメント上の課題を検討することである。研究方法は、昨年度に引き続き、重症児(者)の家族12事例を対象に追跡調査を実施した。また、10事例については、在宅ケアアセスメントMDS-HC2.0を用いてライフステージごとの在宅ケアプラン指針(以下CAPs)を抽出した。 幼児期(3名、4〜6歳)のCAPs共通項目は、コミュニケーション、保健予防サービス2項目。個別項目は、社会的機能、転倒、皮膚と足の状態、認知、褥瘡、排便の管理、尿失禁と留置カテ7項目。支援費サービスは、児童デイサービス事業2名。 学童期〜青年前期(4名、11〜14歳)のCAPs共通項目は、コミュニケーション、IADL(支援)(B)、保健予防サービス、視覚、認知、口腔衛生、褥瘡排便の管理、尿失禁と留置カテ、在宅サービスの削減10項目。個別項目は、順守1項目。支援費サービスは、短期入所2名。 青年後期〜成人期(3名、16〜20歳)のCAPs共通項目は、IADL(支援)(B)、コミュニケーション、視覚、認知、口腔衛生、褥瘡、保健予防サービス、排便の管理、尿失禁と留置カテ9項目。個別項目は、健康増進、順守、在宅サービスの削減3項目。支援費サービスは、通所更生施設3名、訪問介護1名。 CAPsは、コミュニケーション、保健予防サービスが共通し、ライフステージが上がるごとに個別項目よりも共通項目が多くなった。重症児(者)の状態像は多様であるが、年齢と共に在宅介護やケア項目の固定化が示唆された。また、介護給付ニーズは高いとアセスメントされるが、支援費サービス利用状況は2年間を通して変化はみられない。これは、日中のデイサービス事業利用および養護学校通学等を生活の中に組み入れ、家族介護者が30〜40歳代であり、介護を受け入れていること等が関連していると考えられる。以上、重症児(者)のケアマネジメント上の課題は、サービスの調整にとどまらず重症児(者)と家族の将来像が描けるよう、生涯にわたり、健康的な生活が送れるような制度・障害福祉サービスについて、共に考え、支えていく視点を持って臨むことであると考える。
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