2004 Fiscal Year Annual Research Report
10代で出産した女性の生活実態と社会的サポートの検討
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16791446
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Research Institution | Osaka Prefectual College of Nursing |
Principal Investigator |
大川 聡子 大阪府立大学, 看護学部, 助手 (90364033)
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Keywords | 若年妊娠・出産 / ペアレンティング / 国際比較 / 性教育 |
Research Abstract |
本研究では、女性が10代で出産することの意味を、発達段階と照らし合わせながら考察し、10代母親が母親としてどのように生きているのかを生態学的に理解し、10代母親をサポートするための母子保健システムのあり方、援助者のかかわり方を検討することを目的としている。16年度の概要としては、(1)10代母親グループにおいてのフィールドワーク、(2)10代妊娠が先進国で最も多く、先駆的な取り組みが行なわれているアメリカの事例を視察した。 (1)については、フォーカスグループインタビューを行い、10代母親のニーズを整理した。対象者はグループ参加者10名。参加者たちは、母親となったことによる様々な変化を通して、成長していく過程にあり、そうした段階にある自らが、他の世代からどう見られているかや、他の世代の母親との違いについて、冷静に分析していた。10代母親にとって、子どもと離れ、同世代で集まり、悩みを共有することのできる場のニーズは高いと考えられる。また、グループ支援と並行した、個別支援の必要性も感じられた。 (2)については、アメリカのTeen Parenting Programの担当者と、10代の母親の現状とサポートについて情報交換を行った。アメリカでも10代の母親についての偏見は地方で根強く、その偏見を取り去るために様々なプログラムを行っており、対象者が自由に選択することができる。担当者がプログラムの中で最も重要だと考えていたことは、10代母親自身がサポートされていると感じ、周囲の大人たちと良い関係を作れること、であった。 これらの視点を参考に、平成17年度以降、援助の具体的な方法について考えていきたい。
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