2004 Fiscal Year Annual Research Report
平成16年7月新潟・福島、福井豪雨災害に関する調査研究
Project/Area Number |
16800001
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
高濱 信行 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (20018948)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
卜部 厚志 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 助教授 (20281173)
和泉 薫 新潟大学, 積雪地域災害研究センター, 教授 (50114997)
大熊 孝 新潟大学, 工学部, 教授 (40018908)
服部 勇 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (60020111)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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Keywords | 新潟 / 福井 / 記録的豪雨 / 堤防決壊 / 浸水被害 / 斜面災害 / 農地被害 / 災害弱者 |
Research Abstract |
1 洪水と破堤に関する気象学・河川工学・地盤工学からの検討 (1)記録的な豪雨に対して,アメダス気象観測点の他に多数の雨量観測を収集した.雨量の解析から日雨量400mmを越える降雨は新潟県の栃尾地域のみではなく西部の出雲崎地域にも分布していたことが明らかとなった. (2)流域の3つのダムは,降雨初期には貯水効果を発揮したが,記録的な降雨量のため機能を超過したため,中流域では堤防を各地で越流する超過洪水となっていたことが明らかとなった. (3)2つの大規模な破堤地点での要因は,最終的には越流が引き金になっている.しかし,三条地域では旧河川流路にあたる砂礫地盤の直上部が破堤しており,堤外の水圧の増加に伴って砂礫地盤への浸透がおこり堤防が不安定になり一気に決壊したものと考えられる. (4)破堤部付近で住家の破壊・流出を含めた建物被害の分布と広域的な浸水深度と流向の測定を行ない,浸水の深度分布と拡散過程を明らかにした. 2「災害弱者」の防災対策の検討 高齢者など災害弱者を中心とした被災状況を詳しく調査・分析した.この結果,高齢者の中でも独居や要介護者が被災したことが明らかとなった.また,在宅避難のあり方についても提言を行なった. 3 地すべりなどの土砂災害に関する地質・地盤工学からの検討 栃尾地域と出雲崎地域の斜面災害について,分布と要因を解析した.表層崩壊,岩盤崩壊,崩壊性地すべりなどいくつかのパターンに区分できた. 4 洪水が農作物に与えた被害の実態調査と今後の評価 冠水地での水稲の生育被害を調査した.結果は冠水日数によって分げつ数の違いがあり枝穂の増加によって収量の低下が認められた.また,被災直後の衛星画像解析から,被害(収量減少)の予測が可能であることが明らかとなった.
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Research Products
(6 results)