2004 Fiscal Year Annual Research Report
2004年紀伊半島南東沖の地震の余震に関する調査研究
Project/Area Number |
16800003
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金沢 敏彦 東京大学, 地震研究所, 教授 (30114698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 義行 東京大学, 海洋研究開発機構, プログラムディレクター(研究職) (50359171)
高波 鐵夫 北海道大学, 理学研究科, 助教授 (60002177)
清水 洋 九州大学, 理学研究員, 教授 (50178985)
日野 亮太 東北大学, 理学研究科, 助教授 (00241521)
篠原 雅尚 東京大学, 地震研究所, 助教授 (90242172)
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Keywords | 紀伊半島南東沖の地震 / 改定地震観測 / プレート内地震 / 余震観測 |
Research Abstract |
1.自己浮上式海底地震計による余震観測の実施:紀伊半島南東沖の地震の震源域直上に、10〜15km間隔で自己浮上式海底地震計を25台設置し、約3週間の余震観測を行った。陸域観測網から決定されている前震、本震、余震の震央位置を参考にしながら観測点配置を決め、海洋研究開発機構の研究船かいようで9月に海底地震計の設置を実施、海底地震計の回収は同じく海洋研究開発機構の研究船かいれいで10月に実施した。 2.震源決定のための構造調査の実施:マルチチャンネル反射法地震探査を実施し、余震の震源決定のための構造調査を行った。本研究においては、海洋研究開発機構の研究船かいれいのエアガンアレイシステムと多チャンネルのハイドロフォンストリーマを使用して、マルチチャンネル反射法地震探査を実施すると同時に、同航海で、海底地震計を回収した。 3.データ解析と結果:海底地震計およびマルチチャンネル反射法地震探査のデータ処理を行い。余震の精密な空間分布を求めた。本研究による海域の現場観測によって、陸域の基盤観測網からは観ることのできなかった地震活動の詳細が明らかとなった。余震は南海トラフより沈みこむフィリピン海プレートの内部で発生している。しかもプレート境界に近いプレート浅部にほぼ水平に分布する余震活動と、より深いところにほぼ水平に分布する地震活動の2群に分かれて発生していることが分かった。これら2群に分かれた余震分布が前震、本震、最大余震の断層面に相当しているのではなく、地震のメカニズムからは断層面はこれら2群をつなぐような面であることが想定されている。また陸域の観測データからは南落ちあるいは北落ちの断層面どちらであるかは特定できていなかった。本研究の高精度余震分布によって初めて、地震のメカニズムとも整合する2群をつなぐ本震の断層面を特定することができ、本研究の当初目的は十分に達成した。
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