2016 Fiscal Year Annual Research Report
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16F16001
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
明和 政子 京都大学, 教育学研究科, 教授 (00372839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YU LIRA 京都大学, 教育学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | 発達科学 / 社会的認知 / 同調行動 / リズム / チンパンジー / 乳幼児 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度 (平成28年9月1日採用開始) は、本実験研究の開始前に必要となる予備的観察研究と実験環境構築を集中的に行った。観察研究では、明和研究室・乳幼児専用ラボに来る幼児とその養育者を対象に、幼児の行動発達の観察を行った。本実験研究で対象年齢とする生後14か月からの幼児は、歩行が始まり、それに伴って母親から離れて様々な相手と社会的インタラクションが行われる重要な時期である。この時期における幼児と養育者が自由に遊ぶ場面を観察することで、彼らの運動能力や社会的認知能力 (視線合わせ、模倣能力、感情共有など) の発達を観察・記録することができた。また、本実験で用いる実験道具を選択するために数種類の道具を幼児に与え、それらに対する選好性を確認できた。 同調行動を分析するためには、反復的でリズミカルな運動が必要である。上記の予備的観察研究から、幼児は音がする押しボタン式おもちゃに比べて楽器おもちゃを選好し、より安定的にリズミックな動きを起こすことが明らかになった。この結果をもとに、マラカスと太鼓から振動情報を検出できる実験道具の開発を行った。市販の太鼓の内側面に振動センサーを付着し、幼児とお母さんがたたくそれぞれの太鼓の振動情報をすべて電気信号に変換しPCで同時記録できる実験環境の構築に成功した。現在、予備実験を実施中であり、次年度からスムーズに実験研究が行える実験環境が整備された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究実施計画のとおり、予備的観察研究と実験環境構築を集中的に行った。予備的観察研究では、幼児の選好性に基づき、実験研究で用いる実験道具を選択することができた。現在までに、この結果に基づいて構築した実験環境下で予備実験を実施中であり、本実験を開始する準備が整っている。よって、「おおむね順調に研究か進展した」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
新たに構築した実験環境下で行った予備実験の結果をもとに、本実験を開始する。本研究の目的である幼児における社会的同調行動の分析を行う。得られた結果は、国内外の学会やシンポジウムに積極的に出席して発表を行い、他の研究者との交流にも積極的に取り組んでいく。取りまとめた研究成果は、国際専門誌に投稿する。
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Research Products
(1 results)