2016 Fiscal Year Annual Research Report
古代文学テキスト分析の方法としての「シャーマニズム」
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16F16006
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
津田 博幸 和光大学, 表現学部, 教授 (80318708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDASSOVA MARAL 和光大学, 表現学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | シャーマニズム / 『古事記』 / ナラトロジー / テキスト分析 / 言説分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2016年9月から2017年3月の間、『古事記』の原文を「方法としてのシャーマニズム」という視座からアンダソヴァ・津田に関連分野の研究者を加えた研究会によって検討し、特に、『古事記』の原文がナラトロジー(語り論)的な観点からも分析可能であるかどうかを考察した。具体的には、シャマンの憑依状態における語りのように、複数の言説主体により言葉が重層する、または、言説主体がテキスト内部で転換してゆくように『古事記』の原文が書かれているかどうか、という問題である。 また、物語研究会のシンポジウム「古代の日本語文学と主語・人称・待遇」に参加し、『古事記』を超えて、より普遍的に日本語文学の問題としてシャマニズムを考える機会を得た。 研究環境の整備として、ノートパソコンとスキャナー、および、辞典類、『古事記』『日本書紀』等の注釈書、上代文学および、ナラトロジーではより研究の進んでいる『源氏物語』関連の研究書を購入した。また、古代文学会、物語研究会などの研究発表会に参加し、 必要な研究図書(今年度は工具書類)を揃え、かつ、諸資料館・図書館等において文献の調査・収集を行う。また、上代文学会・古代文学会などの大会・例会に参加し、和光大学図書館・国際日本文化研究センター図書館などで資料収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
アンダソヴァが5月に古代文学会で研究発表、津田が、今年度中論文を発表予定である。並行して、月一回程度のペースで研究会を行う。『古事記』以外の古代日本のテキスト、さらには日本以外の言語による語りの研究者ともシャマンのテキストという観点を共有しつつ、普遍化を目指して研究を進める予定である。
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