2017 Fiscal Year Annual Research Report
古代文学テキスト分析の方法としての「シャーマニズム」
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16F16006
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Research Institution | Wako University |
Principal Investigator |
津田 博幸 和光大学, 表現学部, 教授 (80318708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANDASSOVA MARAL 和光大学, 表現学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | シャーマニズム / 『古事記』 / ナラトロジー / テキスト分析 / 言説分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年4月から2018年3月の間に、「方法としてのシャーマニズム」という視座からアンダソヴァ・津田を中心に関連分野の研究者を加えて6回の研究会を開催した。その中で、「シャマニズム」という方法概念を語り論(ナラトロジー)や言説分析の方法と関連づけて精密化しつつ、実際に古代のテキストを分析して、新しい読みを開く方法としての有効性を確かめた。 その成果として、アンダソヴァは、ミハイロフ・バフチンのポリフォニー小説論の再検討、『源氏物語』のロシア語訳を、現代日本の『源氏物語』の言説分析の成果を参照しつつ、新たな視座から分析するなどの研究を発表した。また、津田は、シャマンの託宣の言説主体の複数性という観点から祝詞を分析する口頭発表、および、レヴィ=ストロースの、マナ(霊力)を「浮遊するシニフィアン」として位置づける説を再検討して古代日本のテキストに見える霊魂関連の諸観念を検討する論文を執筆した(公刊は2018年4月)。 また、上代文学会・古代文学会・物語研究会等の関連諸学会の大会・例会に参加し、最新の研究成果を取り込んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画通り研究を進めているため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究会を継続的に開催しつつ、『古事記』以外の古代日本のテキスト、さらには日本以外の言語による語りの研究者ともシャマンのテキストという観点を共有しつつ、普遍化を目指して研究を進める。合わせて、二年間の成果として学会発表、論文作成を行う。 また、必要な研究図書を収集し、かつ、諸資料館・図書館等において文献の調査・収集を行う。また、上代文学会・古代文学会・物語研究会等の関連諸学会の大会・例会に参加し、最新の研究成果を取り込む。
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