2016 Fiscal Year Annual Research Report
Application of Mirror extension of vertex operator algebra using Hopf algebra theory
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16F16020
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮本 雅彦 筑波大学, 数理物質系, 教授 (30125356)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LIN XINGJUN 筑波大学, 数理物質系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2018-03-31
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Keywords | 頂点作用素代数 / ミラー拡張 / 軌道理論 / コミュータント / 正則頂点作用素代数 |
Outline of Annual Research Achievements |
有理形頂点作用素代数 V とその自己同型群 G に対して、自己同型群で固定される部分頂点作用素代数(軌道理論)と、その加群をいくつか添加して頂点作用素代数を構成する軌道拡大の可能性について研究した。特に、このような設定において、固定部分頂点作用素代数の内部で、ヴィラソロ元が2つの共形元の直和に分解する状況が良く起こっている。そのような状態で、両方の頂点作用素代数が有理形であるような場合、片方の有理形頂点作用素代数の加群によるテンソル積理論や加群を使っての拡大理論が、もう一方の有理形コミュータントと呼ばれる部分頂点作用素代数の加群のテンソル積理論や頂点作用素代数の拡大を与えるという「ミラー構成予想」がある。 本研究の平成28年度の研究実績としては、 (1) 頂点作用素代数が非常に良い性質を持つ場合には、ミラー対称性が成り立つことを一般論として証明した。また、 (2) 頂点作用素代数の分類問題の一つで、多くの研究者の注目を集めている「71問題」と呼ばれる予想があり、71タイプの中心電荷24の正則頂点作用素代数を構成しようというものである。本研究で開発されたミラー構成理論とその証明で得られた手法を応用して、台湾中央研究院のラム教授たちのグループと一緒に、非常に困難とされていたいくつかのケースに対して、正則頂点作用素代数の構成に成功し、論文として投稿中である。これにより、71問題は最後の1個の残して、70個までの構成に成功したことになる。 (3) 上記の問題に関連して、一意性の証明も大きな問題であり、台湾中央研究院の川節氏と共同で、いくつかの場合に対して、一意性の証明も行い、論文として書き上げている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
中心電荷24の正則頂点作用素代数の分類という構成問題「71問題」にミラー構成法やホップ代数理論を応用することが研究目的である。実際、台湾中央研究院のラムチンフン教授との共同研究で71問題の重要な一例の構成に成功しており論文として書き上げ投稿中である。また、川節氏との共同研究により、いくつかの正則頂点作用素代数の一意性の証明に成功しており、論文として書き上げている最中である。それゆえ、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
残りの期間において、次の2つの問題を重点的に考察していく。 (1) ミラー構成法の拡張:アフィン頂点作用素代数の拡張や自由場の理論の拡張など、片方の有限性の条件が無い場合に対しても、今回の研究を生かしてミラー構成の類似を研究したい。 (2) 一意性証明の開発:中心電荷24の正則頂点作用素代数一意性問題に有効な手段を開発したい。 これらの問題を解決する為に、この分野で著名なドン教授(カリフォルニア大学)が青島大学に長期滞在する機会を利用して共同研究を進展させる。
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