2018 Fiscal Year Annual Research Report
中性子過剰なカルシウム同位体の殻進化と中性子数34での殻ギャップ
Project/Area Number |
16F16026
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
櫻井 博儀 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 室長 (70251395)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CORTES SUA MARTHA 国立研究開発法人理化学研究所, 仁科加速器科学研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | エキゾチック原子核 / 魔法数 / 単粒子軌道 / インビームガンマ線分光 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度は29年度に取得したデータの解析を中心に行った。 申請段階では、Ca同位体の偶奇核の分光を目的としていたが、昨年度取得したデータは未知の偶偶核に関する新しい情報も含んでいる。そのため、研究期間内に世界的なインパクトが期待できる偶偶核Ti-62に関するデータを早期に出版する戦略を選択した。その理由としてまず偶偶核の解析は偶奇核にくらべ解析が比較的短時間で終了することができることがあげられる。さらに、Ca同位体の殻進化のメカニズムとして核子二体有効相互作用の変化と核子の三体力効果の二つが議論されており、研究戦略として、まずTi-62データから二体力の変化を抑えたのち、次にCa同位体の偶奇核の論文を準備する戦略をとった。中性子数40はsub-shellで閉殻となることが知られており、Ti-62での殻構造の変化が世界的にも注目されている。 29年度取得したデータを解析したところ、Ti-62の励起準位からの脱励起ガンマ線の観測に成功し、第一励起準位および第二励起準位のエネルギーを決定することに成功した。これらの情報からT-62はCr-64よりも集団性が小さい、すなわちN=40の魔法性が大きくなることが分かった。このところからN=40の原子核の集団性は、Z=24で最大となり、Z=20のCa-60では集団性がさらに弱くなる、すなわちCa-60は二重閉殻核である可能性を世界で初めて示した。 この他、Sn-100近傍の核分光研究の準備やGAGG結晶を用いたガンマ線検出器の開発も行った。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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