2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of carbon-carbon bond formation between organic compounds and CO2 using semiconductor photocatalysis
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16F16040
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 進 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (90273268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SELVAM KALIYAMOORTHY 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | 半導体光触媒 / CO2 / アミド / エステル / ハロゲン化芳香族 |
Outline of Annual Research Achievements |
H29年度までの研究で、可視光によって活性化されるRe錯体触媒と犠牲反応剤および、Pd/TiO2-In2O3と2級アミン、ハロゲン化芳香族化合物をCO2と共存させることで可視光照射下、三成分連結反応が起こり、芳香族アミド化合物が得られることを見出した。ハロゲン化芳香族化合物以外にもジアゾ芳香族化合物も使用できる。またこの方法で2級アミンをアルコールに変えることで芳香族エステルも得られることからCO2を有機骨格に一般的に固定化できる方法へとさらに進展させることができよう。この反応は1室1反応容器で最初見出されたが、2室1反応容器に変えて行い、更なる生成物の収率の向上へと繋がりつつある。2室のうち、第1室にはRe錯体触媒と犠牲反応剤を混入させた。第2室はPd/TiO2-In2O3と2級アミン、ハロゲン化芳香族化合物で満たした。第2室の2級アミンは反応基質としても犠牲反応剤としても機能したと考えている。まずは第1室を可視光照射した結果(プレ活性化操作)、励起され活性化されたRe錯体触媒とCO2からCOが生成したと思われる。このCOが第2室に気体として移動しそこで形成されたPdn-Ar種と反応のうえOC-Pdn-Ar種へと変換された後、OC(Ar)-Pdn種のカルボニル炭素に対してアミンやアルコール(もしくはアミン窒素ラジカルやアルコキシラジカル)が攻撃し、芳香族アミドや芳香族エステルを形成すると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可視光照射下の1室1反応容器においても、金属錯体((bpy)Re)触媒およびPd(II)/TiO2-In2O3触媒の両者を光で活性化でき、それぞれが重要な役割を演じてCO2を炭素骨格に導入できたことは注目に値する。また前者の励起錯体触媒によって形成されるCOは反応容器内の分圧が非常に低い状況(非常に低濃度)であるにも関わらず、効率良く光活性化されたPd(II)/TiO2-In2O3触媒と反応している点も特筆すべきである。これまで熱エネルギーを使ったアミノカルボニル化反応では一般的に、高圧COを必要としたことと比較しても、COを効果的に反応させることができた。可視光照射下されたPd(II)/TiO2-In2O3触媒がCOの捕捉と変換において極めて優れていることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは第1室でCO2 を還元し生成するCOをmicro-GC分析で定量する。使用したCO2から実際に低濃度のCOが生じ、第2室で2級アミンとハロゲン化芳香族化合物と室温で反応し芳香環のアミノカルボニル化に導入されているかどうかを、13CO2を使って確かめる。この方法によって、COが実際の反応基質であるこかどうかを証明する。また、第2室のより高原子価のPd種は効果的に還元されPd(0)種になっていると想定されるが、何がPd(II)をPd(0)に変換する実質的な還元剤であるかも調べる。CO自体が還元していることも想定されるが、2級アミンが実質的な還元剤であることも考えられる。またアミンやアルコールがそれぞれアミン窒素ラジカルやアルコキシラジカルになって反応しているかどうかを確かめるために、低温でのEPR測定やラジカル捕捉剤との反応も行う。また本研究から得られる知見をもとに、C-H化合物のC-H結合の酸化的切断に伴うCO2とRおよびHとの反応によってカルボン酸を合成するゼロエミッション型反応へと展開する。
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Research Products
(2 results)