2018 Fiscal Year Annual Research Report
イオン液体を基盤とするフォトン・アップコンバージョン分子システムの開発
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16F16042
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
君塚 信夫 九州大学, 工学研究院, 教授 (90186304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PANKAJ 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | バイオマテリアル / 光学物性 / フォトン・アップコンバージョン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タンパク質と色素分子との複合化によりフォトン・アップコンバージョンを示す生体適合性材料を創出することを目的とした。戦略として、タンパク質ゼラチンが水素結合ネットワークを形成しうることに着目した。アニオン性のアクセプター分子は、ゼラチンのカチオン性残基と静電的に結合して疎水性を上げることにより、ゼラチン分子の会合を促進し、その結果、密な水素結合ネットワークができることが判った。次に電気的中性のドナー分子を可溶化するために、非イオン性の界面活性剤を用いた。ゼラチン、界面活性剤、ドナー分子ならびにアニオン性アクセプター分子を混合し、加熱溶解したところ、冷却に伴いハイドロゲルを形成した。驚くべきことに、このドナー・アクセプターを導入したゼラチンゲルは、大気下においてフォトン・アップコンバージョンを示した。このことは、発達したゼラチンの水素結合ネットワークが酸素の侵入を防ぎ、水中・空気中における高効率アップコンバージョンを可能にしたことを意味する。海面下製剤の導入により、非イオン性色素分子をゲル中に内包させることができ、共焦点レーザー顕微鏡より、ゼラチンゲル中にマイクロサイズのアップコンバージョン機能を有する超分子コンパートメントが形成されていることが判った。この成果を、アメリカ化学会誌に発表した(JACS, 2018, 140, 10848-10855)。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)