2016 Fiscal Year Annual Research Report
アンサンブル学習による多種リモートセンシングデータの画像分類アルゴリズムと応用
Project/Area Number |
16F16053
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 晃 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (40356530)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XIA JUNSHI 東京大学, 先端科学技術研究センター, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2016-07-27 – 2018-03-31
|
Keywords | アンサンブル学習 / ハイパースペクトルデータ / 正準相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイパースペクトルセンサは、樹種の分類や鉱物の探査などの地球観測への利用が期待されている。日本においても2018年に宇宙実証が行われる予定である。軌道上では1日に300GB の圧縮済み生データが発生するが、最大限の情報を得るための処理手法が求められている。さまざまな情報処理手法が提案される中で、アンサンブル学習を用いたデータ分類は精度が高いにもかかわらず、計算コストが低いという利点を有している。本研究の目的は、アンサンブル学習を発展させて、ハイパースペクトルセンサを中心として、地表面の有効な分類方法を研究し、国土管理に用いる手続きを確立することで、リモートセンシングを実効的な手段とすることにある。 今年度はアンサンブル学習法を深化させることで、より精密な分類手法を検討する。分類結果を空間的に最適化するための前処理手法や後処理手法の検討を行い、総合的な見地からアンサンブル学習法の性能を向上させる試みを行った。アンサンブル学習は正準相関法を取り込むことで、教師データとサンプルの情報関係を強くした。同時に、空間情報を取り込むために、マルコフランダムフィールド、拡張マルチアトリビュートプロファイルや独立成分分析と提案手法の相性がよいことを示し、統合的な枠組みを構築した。本手法をハイパースペクトルデータに適用した結果、従来手法を上回る結果を得ている。 IEEEのTransaction of Geoscience and Remote Sensing誌に論文が掲載されたほか、国際会議2件での発表、および投稿中の論文が2編ある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
候補者がハイパースペクトルデータを分類するために導入したアンサンブル学習法のうち、Rotation Forest 法は他の手法と比較して高精度の分類を可能にしているが、主成分解析を利用しているのが特徴である。それをさらに発展させたCanonical Correlation Forest法は正準相関を利用して教師データとの関連付けをより効果的に行うことができる。さまざまなハイパースペクトルデータに対してその有効性を示した。IEEEのTransaction of Geoscience and Remote Sensing誌に論文が掲載された。本手法は、マルチスペクトルセンサにも有効であり、IEEE GRSのデータフュージョンコンテストでも1位を獲得している。さらに、モルフォロジーに注目した空間的最適化手法との組み合わせを検討し、精度の高い分類結果を得ている。
|
Strategy for Future Research Activity |
すでに、当研究室が加工しているハイパースペクトルとレーザ高度計のデータの組み合わせによる森林樹種分類や、ハイパースペクトルセンサと他の光学センサの組み合わせによる高分解能化などの研究を開始している。また、合成開口レーダ(SAR)は光学センサと異なる地表面の偏波特性を示すため、光学センサとのデータの融合によって興味深い結果が期待される。候補者によるアンサンブル学習を、異種のセンサの組み合わせに導入し、それを頑強化することで、信頼性の高い情報抽出を行うことが2年目の課題である。このような分類の研究は、これまでは特定のテストデータを用いたものに限定されてきたため、その問題点については十分な議論がなされてこなかった。この点において、当研究室で整備したハイパースペクトルデータは広域をカバーするためよい検証対象となると期待される。
|