2016 Fiscal Year Annual Research Report
地震トランポリン効果を考慮した土砂災害リスク評価に関する研究
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16F16056
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
陳 光斉 九州大学, 基幹教育院, 教授 (50293882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG YINGBIN 九州大学, 基幹教育院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | 地震 / 近断層 / ベロシティパルス効果 / トランポリン効果 / 数値シミュレーション / 土砂災害 / ハザードマップ / 予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本で実施された「土砂災害防止法」では、土砂災害警戒区域は、急傾斜地の下端から最大50 m以内、地滑り区域下端から最大250mの範囲内の区域と定められ、すべての土砂災害対策計画がそれに基づいて作成されていた。しかし、大地震による崩壊土砂は高速・遠距離移動の特徴があり、1000m以上の距離を移動した大規模な土砂災害が国内外多く報告された。したがって、大地震による土砂災害リスクをアセスメントすることが重要である。そのために、本研究では、地震による崩壊土石の遠距離移動メカニズムに関する理論根拠を構築し、模型実験を行い、崩壊土石の遠距離移動時に地震波動特性、地質特性、地形特性を把握する。また、高度な数値シミュレーション技術を開発し、判明されている活断層によるM7以上の潜在直下型地震を対象に、斜面災害リスクをリスクアセスメントし、新しい危険斜面警戒区域のハザードマップの作成を目指す。 H28年度では、受入研究者が提案した「多重加速モデル」と外国人特別研究員が提案した「非線形破壊モデル」を組み合わせて、大地震による崩壊土石の遠距離移動に必要な初期速度の発生メカニズムに関する破壊理論や地震波による動摩擦の低減メカニズムに関する理論を構築した。また、ベロシティパルス效果を有した800の断層付近の地震記録を含め、世界範囲の断層周辺の地震記録を収集し、データベースを作成している。また、ピーク地面地震加速度PGAとピーク地面速度PGVを用い、地震による地すべりの永久変位予測モデルを構築した。予測モデルを用いれば近断層地震動のインパルス特性の影響を考慮した土砂災害ハザードマップを作成することができる
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画の研究内容は全て実施しており、研究成果が得られた。特に、ベロシティパルス效果を有した800の断層付近の地震記録を含め、世界範囲の断層周辺の地震記録を収集し、データベースを作成したことや、ピーク地面地震加速度PGAとピーク地面速度PGVを用い、地震による地すべりの永久変位予測モデルを構築したことは計画内容より成果が挙げられた。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度に引き続き、地震による極端運動におけるトランポリン説を検証するために、数値シミュレーションあるいは振動台実験を行う。トランポリン現象の発生条件、地盤の反発係数、地盤振動による物体へエネルギーの供給効率を明らかにするために、地盤条件、物体の材質、モデルの形状、地震の振動数条件と振幅条件を変化した一連の実験を行う。特に、地震の振動数条件は1、2、4、6、8、10、 12Hzを用い、振幅条件は400Gal , 800Gal 、1200Gal を用いる。また、外国人特別研究員候補者が開発した拡張DDAなどの破壊解析プログラムに「多重加速モデル」を取り入れ、地震による崩壊土石の大きな初期速度・低運動摩擦の発生条件を解明する。さらに、ダイナミックブロック解析法と不連続変形解析法を用いて、崩壊土石の遠距離移動における数値シミュレーション技術を開発する。さらに、ダイナミックブロック解析法と不連続変形解析法を用いて、崩壊土石の遠距離移動における数値シミュレーション技術を確立する。斜面の地盤特性、不連続面特性、豪雨や地震等の外力を考慮し、斜面の大変形や崩壊土石の剛体運動(並行、回転)などを解析することが可能とする。また、新しいプログラムを用いて、振動台実験の再現シミュレーションにより、入力パラメーターを同定してから、既発生の大規模な遠距離移動事例をシミュレーションし、提案手法を検証する。さらに、開発した高度な数値シミュレーションを用いて、判明されている活断層によるM7以上の潜在直下型地震を対象に新しい危険斜面警戒区域のハザードマップを作成する。想定した東海地震、東南海地震および南海地震による土砂災害リスクも評価する。
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Research Products
(7 results)