2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification and Functional Characterization of Babesia bovis Exportome
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16F16105
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HAKIMI HASSAN 長崎大学, 熱帯医学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | バベシア / 輸送タンパク / 質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内寄生原虫はその宿主細胞を改変することにより、栄養の取り込みや免疫回避など寄生適応を行っているとされる。バベシア原虫はダニ媒介性の赤血球寄生原虫であり、ウシを始め家畜に多大な経済的被害を与えている。特にウシのバベシア原虫Babesia bovisは病原性が高く、赤血球表面に発現するVESAタンパク質がその病原性に関わるとされるが、それ以外の赤血球改変分子については殆ど分かっていない。本研究ではB. bovis感染赤血球表面に発現する原虫由来タンパク質を同定し、それら分子がどのように輸送され、どのような機能を担っているのか明らかにすることを目的としている。 初年度は、バベシア原虫寄生赤血球表面に存在する原虫由来タンパク質を解析するため、タンパク質の精製並びに質量分析を行った。具体的には原虫感染赤血球を濃縮した後に、赤血球表面タンパク質をビオチン化し、ストレプトアビジンビーズを使いビオチン化タンパク質を精製した。精製したタンパク質をLC-MS/MS液体クロマトグラフィー質量分析法にて解析し、宿主由来タンパク質を除外した結果、約50種の原虫タンパク質が検出された。この中には原虫感染赤血球表面に局在するとされるVESAタンパク質が含まれていたほか、機能未知のタンパク質も10種類以上含まれていた。検出されたタンパク質からBioinformatics解析等により、赤血球表面に局在する可能性があると考えた10種を選び、タグ付きタンパク質を発現する遺伝子改変バベシア原虫の作製を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
原虫寄生赤血球表面タンパク質の質量分析により、原虫分子を同定することができ、幾つかの同定した分子について遺伝子組換え原虫の作製を開始することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
タグ付きタンパク質を発現する遺伝子改変原虫を作製し、質量解析にて得られたタンパク質が感染赤血球表面に発現していることを確認する。さらに、赤血球表面の発現が確認された分子について、共通するモチーフを検索することで赤血球表面輸送に関わるモチーフを明らかにする。また、それら分子の遺伝子ノックアウト原虫を作製することで、得られた分子の機能を解析する。
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