2016 Fiscal Year Annual Research Report
CH活性化反応を利用したエピジェネティクス制御化合物の創製
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16F16112
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
鈴木 孝禎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90372838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SINGH RITESH 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2018-03-31
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Keywords | エピジェネティクス / C-H活性化反応 / ヒストン脱アセチル化酵素 / ヒストン脱メチル化酵素 / 阻害薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒストンのリシン残基のアセチル化やメチル化は、DNAの塩基配列に依らないで遺伝子発現を制御する、いわゆるエピジェネティクス機構の一つであることが知られている。これらのヒストンの化学修飾のバランスが崩れることで、がんなど、さまざまな疾病が引き起こされることも報告されている。したがって、ヒストンのアセチル化、メチル化修飾を制御する化合物は、生命現象を理解するためのツールとして重要であり、かつ、がんなどの治療薬としても応用できる可能性がある。一方、反応化学の分野では、C-H活性化反応の進展が目覚ましく、C-H活性化反応は、医薬化学分野でも有用である。以上の背景の基、本研究では、C-H活性化反応を用いたヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)とヒストン脱メチル化酵素(KDM)を標的とした抗がん剤候補化合物の創製を目指す。 平成28年度は、KDM1A阻害薬として知られるフェニルシクロプロピルアミン(PCPA)とHDAC阻害薬であるvorinostatの複合体の分子設計とC-H活性化反応を用いた合成の検討を行った。具体的には、KDM1AのX線結晶構造を基に、PCPA-vorinostat複合体を設計した。また、それらの設計した分子の合成に必要なC-H活性化反応の反応条件検討を行った。その反応条件を用いて、設計したPCPA-vorinostat複合体の合成に成功した。 平成29年度には、平成28年度の結果を基に、さらなるPCPA-HDAC阻害薬複合体の分子設計、合成と生物活性評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した通り、阻害薬の分子設計とC-H活性化反応の検討、設計化合物の合成を完了した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、KDM1AのX線結晶構造を基にさらなるPCPA-HDAC阻害薬複合体を設計し、C-H活性化反応を利用した合成、酵素阻害活性評価、がん細胞増殖阻害活性評価などの生物活性評価を行う。
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Research Products
(1 results)