2016 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトT細胞白血病ウイルス1型による新たな発がん分子機構の解明
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16F16115
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安永 純一朗 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 講師 (40362404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MA GUANGYONG 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2018-03-31
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Keywords | HTLV-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Survivin 遺伝子のプロモーター活性を指標に、HBZ RNAの様々な欠損変異体を用いて活性評価を行った結果、HBZのコーディング配列5'側の50ntに相当する領域が活性に重要であった。RNAの局在には非翻訳領域(UTR)が重要であることを示唆する知見を得た。 5'UTR及び3'UTRを含んだHBZ RNAトランスジェニックマウスを複数系統樹立した。今後解析を進めていく。 本研究の過程で、HBZが多くの宿主microRNAの発現に影響を与えることを見出した。その中でmiR455はHBZにより発現が抑制されることが判明した。ATL細胞株にmiR455を強制発現させると、増殖および遊走能が有意に低下したことから、HBZによるmiR455発現抑制がHTLV-1感染細胞の発がん、病原性に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、多数のHBZ RNA変異体による機能評価を進めている。 UTRを含んだHBZ RNAトランスジェニックマウスを複数系統樹立できた。 研究の過程で、HBZによるmiR455発現抑制がATL細胞の増殖、遊走に関与していることを見出すことができた。今後学会、論文にて発表予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
作成したHBZ RNAにより発現制御を受ける遺伝子をを用いて、RNA-FISHにて局在を決定する領域、配列を決定する。 以前施行したマイクロアレイのデータを基に、HBZ RNAにより発現制御を受ける遺伝子を探索し、作成したHBZ RNA変異体のプロモーター活性に与える影響を解析する。 HBZ RNAトランスジェニックマウスの表現型を解析する。 HBZによるmiR455抑制と発がんにおける意義について論文化する。
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