2016 Fiscal Year Annual Research Report
上皮および内皮細胞内でのGASの病原性発現機構の研究
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16F16119
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野田 健司 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (00290908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LU SHIOU-LING 大阪大学, 歯学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-04-22 – 2019-03-31
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Keywords | VEGF / 内皮細胞 / GAS |
Outline of Annual Research Achievements |
病原性細菌Group A streptococcusは、上皮細胞および血管内皮細胞に侵入した場合、オートファジーに関して異なる反応を惹起することをこれまで見出してきている。すなわち後者では、前者で見られるオートファジーがみられない。このことはGroup A streptococcusの伝搬および病原性の発現に関与する可能性があり、そこで本研究では、内皮細胞におけるGroup A streptococcusの振る舞いを細胞生物学的に検討した。その結果、Group A streptococcusが感染することにより、エンドソームの酸性度が低下することを見出した。さらにそれにはVEGFのシグナル伝達経路が関与することを明らかにした。VEGF存在下に培養した血管内皮細胞では、エンドソームの酸性化度が低下し、それがためにGroup A streptococcusの病原因子などの分泌が阻害されているというモデルが考えられる。実際、電子顕微鏡観察によりGroup A streptococcusは一重膜のエンドソームに取り込まれ脱出できず、オートファジーが亢進しないことが観察された。今後VEGFシグナリング経路がどのようにエンドソームの酸性度を制御するのか、その詳細な分子機構を明らかにすることにより、Group A streptococcusの血管内皮細胞の振る舞いを特徴づける背景を明らかにしていきたいと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、内皮細胞の解析において重要な因子を見出すことに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
VEGFシグナリング経路の詳細を明らかにする。その下流に多くの制御因子が知られているため、どの因子が、エンドソームの酸性化に影響するのか、それぞれの因子のノックダウンを行う事により検討する。
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