2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16F16317
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山ノ井 克俊 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40335295)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUYNH TUAN 大阪大学, 理学研究科, 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
|
Keywords | ネヴァンリンナ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究実績の概要は以下の通り。外国人特別研究員Dinh Tuan HUYNHは、Duc-Viet VU(フランス、IMJ-PRG)およびSong-Yan XIE(ドイツ、マックスプランク研究所)と共同で、複素射影空間の次数の高い超曲面に対するネヴァンリンナ理論における第二基本定理型の評価式について研究を行い、成果を挙げた。この成果に関する論文「Entire holomorphic curves into projective spaces intersecting a generic hypersurface of high degree」はアーカイブ上で公開されている。これは、従来の小林予想に関する研究を一般化するもので、小林予想においては、超曲面と交わらない正則曲線に関する研究を行っているが、今回の共同研究では、超曲面と交わることも許す正則曲線を扱うことに成功している。この成果は、3月初旬に東京大学の駒場キャンパスで行われた、小規模の研究集会で発表されている。この研究集会では、正則写像の諸性質を研究対象とする国内の研究者が集まって、専門的で突っ込んだ議論が行われた。その結果、国内の研究者にDinh Tuan HUYNH氏の研究を詳しく知ってもらうことができたのは、今後の本研究課題を進める上で大きな収穫であった。また、Dinh Tuan HUYNHは東京大学の複素解析幾何セミナーでも講演を行い、国内における複素幾何のより広い研究者にも詳しくその研究内容を知ってもらうと同時に、研究上の活発な議論を行うことができた。本研究課題は平成28年の10月から始まるものであり、半年の成果としては満足いくものである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記したように、本研究課題が始まって半年であるが、すでに新しい成果を挙げて論文執筆の段階に入っていることは評価してよい。また、本研究課題に興味を持つ国内の研究者と、活発な研究交流を持つことも出来ており、新しい環境下でのスタートとしては上々のものである。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は以下の通り。現在までの進捗状況にも記したように、本研究課題はよいスタートがきれている。今後も、昨年度に引き続き、国内の研究者と活発な研究交流を行いながら、ネヴァンリンナ理論や小林双曲多様体の研究を進めていく。特に、研究実績の概要に述べた、Dinh Tuan HUYNH氏の最新の研究成果は、今後に発展する可能性がある新しい方向性である。このテーマを進めていくことは、本研究課題を進める上でも、重要な内容を持つものであり、その発展が期待される。また、平成29年度は、シンガポールとフランスへの2度の海外出張をDinh Tuan HUYNH氏は計画しており、最新の成果に基づくディスカッションによって、新しい知見が得られることを期待したい。
|
Research Products
(1 results)