2017 Fiscal Year Annual Research Report
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16F16317
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山ノ井 克俊 大阪大学, 理学研究科, 教授 (40335295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUYNH TUAN 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 高次元ネヴァンリンナ理論 / 小林双曲多様体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、複素平面から射影空間への整正則曲線の第二主要定理型不等式について、Tuan氏と活発な議論を行った。特に第二主要定理にあらわれる個数関数の打ち切りレベルを1にした不等式が、主な関心であった。本研究課題の代表者である山ノ井は、他二名との共同研究によって、2008年に準アーベル多様体の第二主要定理を用いることで、射影平面への整正則曲線が2つの直線と1つの二次曲線を除外するとき、その整正則曲線が代数退化することを証明した。Tuan氏は他2名との国際共同研究を実施し、この結果と関連した第二主要定理型不等式を打ち切りレベル1の個数関数に対して得ることに成功した。この結果はすでにアーカイブ上に公開されているので、世界中どこからでも閲覧可能である(arXiv:1704.03358)。この結果はある種のオービフォード多様体に対する問題に早速応用されている。今回のTuan氏の国際共同研究の結果は、射影空間の因子が十分大きな次数を持たなくてはならないため、山ノ井(他二名)の2008年の結果を含むものであるかは、現在議論を続けているところである。 この他、Tuan氏は本研究課題の一つである、射影空間内の次数の低い小林双曲的超曲面の構成にも継続的に取り組んでいる。出来るだけ次数の低い小林双曲的な超曲面の具体例を構成することが目標である。このテーマでもTuan氏は国際共同研究を実施し、現在かなり活発な研究を行っており、うまくいけば平成30年度にはかなり質の高い成果が得られるのではないかという期待を持っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は二つの国際共同研究を実施し、論文を執筆した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に開始した、射影空間内の次数の低い小林双曲的超曲面の構成に関する国際共同研究を継続する。
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