2016 Fiscal Year Annual Research Report
超海洋パンサラッサ-古テチス海インタフェイスのテクトニクス復元
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16F16329
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
辻森 樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00436833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PASTOR-GALAN DANIEL 東北大学, 東北アジア研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-10-07 – 2019-03-31
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Keywords | パンゲア大陸 / パンサラッサ / 古テチス海 / 古生代後期 / 中央アジア / 東アジア / 高圧変成岩 / オフィオライト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、イラン高原から中央アジアを通って東アジアに点在する古生代後期の低温高圧型変成岩に着目し、超海洋パンサラッサと古テチス海のインタフェイスについての未解決問題の解決に取り組むものである。46.5億年の地球史において超大陸パンゲアを取り囲む超海洋パンサラッサと古テチス海の関係は、地球科学における第一級テーマであり、これまでに様々な復元モデルが提案されてきた。しかしインタフェイスに関する統一理解には達していない。本研究は古生代後期(特に、3.2~2.7億年前)の低温高圧型変成岩のグローバルな連続性な連続性に着目し、構造地質学・変成岩岩石学、地球年代学、古地磁気学を相補的に組み合わせた総合研究を行う。初年度(平成28年9月開始)はイラン高原の古生代後期のエクロジャイト相変成岩の岩石学・鉱物学的解析を行った。中央海嶺玄武岩質のエクロジャイトからジルコンを分離し、韓国の基礎科学資源研究所において二次イオン質量分析装置でU-Pb測定を行った。変成堆積岩にいてもジルコンを分離し、レーザアブレーションICP質量分析装置で砕屑性ジルコンの頻度分布を把握した。また、イラン高原の標本と一緒に、西南日本の古生代後期の低温高圧型変成岩(蓮華変成岩)から分離したフェンジャイト質雲母の酸素・水素同位体組成のスペインのサラマンカ大学で測定を行った。本研究課題に関係した国際学会のセッションを起案し、論文執筆をはじめた他、次年度の野外地質調査のための準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画起案の段階で既に分析のための海外共同利用施設の打合せを十分に行い、さらに解析するための岩石標本を選定・準備していたため計画通りに研究を進展させることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後当初の計画通り、次年度は西南日本の古生代後期の地質の野外地質調査を実施する。本研究は従来の変成岩岩石学に古地磁気学を応用する。低変成度の変成岩類(弱変成付加体構成岩類)の特に、枕状溶岩、チャートの定方位コア試料を系統的に採取し、残留磁気測定を実施する。
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Research Products
(3 results)