2017 Fiscal Year Annual Research Report
脱水型不斉アリル化反応によるキラルモジュール合成法の開発と応用
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16F16339
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
北村 雅人 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (50169885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUNASEKAR RAMACHANDRAN 名古屋大学, 創薬科学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2016-11-07 – 2019-03-31
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Keywords | 不斉合成 / アリル化 / ルテニウム |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、脱水型分子内不斉アリル化反応を用いるキラルモジュール合成法の確立を目指した。前年度までに、1,4-ブテンジオールとホルムアルデヒドを、独自に開発した光学活性ピコリン酸を配位子とするルテニウム錯体触媒存在下反応させると、対応するジオキソランが得られることを見出した。ブテン時オールが脱水的にルテニウムとπアリル錯体を形成し、あいたヒドロキシ基と可逆的にわずかに生じるヘミアセタールが求核的に目的物を与える。すなわち、不安定性種補足型の分子内アリル化が進行するものであり、同様の中間体を経由するさまざまな基質への展開が可能性と期待される。この成果を足がかりとして、さまざまな光学活性モジュール合成への展開を目指した。まず、上記基質にメチレン鎖を導入した基質を用いれば、1,3-ジオール型モジュールである1,3-ジオキサン化合物が合成できることが確認された。Bocアミノ基をもつアリルアルコールを用いれば、1,2-および1,3-N,O型モジュールにも応用できる。これらはいずれもC-O結合形成反応であるが、ホルムアルデヒドの代わりにホルムイミンを用いれば、ヘミアミナールエーテルやアミナールがら同様の反応が可能となると考え、これと上記基質とを組み合わせることによって、1,2-および1,3-O,N、N,Nモジュールの合成を可能とした。これらを活用することによりさまざまなキラル化合物合成が期待される。今後、得られた1,2-O,Nモジュールを原料としてスフィンゴシン合成を行い本手法の有用性を実証したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、架橋部の探索に成功しており、遅延はない。すでに、次年度の計画であるスフィンゴシン合成への敵よ性も確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では、まず、標準化合物であるスフィンゴシン合成を通して、申請者らが提示する戦略 の正当性を示す。本年度で合成法を確立したモジュールの一つから、 Grubbsオレフィンメタ セシスによるアリルアルコール合成、2度目の脱水型不斉アリル化、長鎖アルキルオレフィン とのメタセシス、続く脱保護を合成戦略とする。オレフィンメタセシス過程は、既存の方法を 参考とし、ここでは、2度目の環化反応の条件検討が中心となる。特に、アルキリデン部の除 去・再添加を伴わないリレー合成法の確立により、最短合成経路の達成を目指す。次に、この 合成経路を基盤として、各種スフィンゴシン異性体の合成を目指す。
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] Synthetic analogs of a protozoan glycolipid designed to combat intracellular Leishmania infection2017
Author(s)
Choy, S. L.; Bernin, H.; Aiba, T.; Bifeld, E.; Lender, S. C.; Mhlenpfordt, M.; Noll, J.; Eick, J.; Marggra, C.; Niss, H.; Roldn, N. G.; Tanaka, S.; Kitamura, M.; Fukase, K.; Clos, J.; Tannich, E.; Fujimoto, Y.; Lotter, H.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 7
Pages: 9472
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Synthesis and biological evaluation of chemokine receptor ligands with 2-benzazepine scaffold2017
Author(s)
Thum, S.; Kokornaczyk, A. K.; Seki, T.; Maria, M. D.; Zacarias, N. V. O.; Vries, H.; Weiss, C.; Koch, M.; Schepmann, D.; Kitamura, M.; Tschammer, N.; Heitman, L. H.; Junker, A.; Wuensch, B.
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Journal Title
Eur. J. Med. Chem.
Volume: 135
Pages: 401-413
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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